資金繰り表を更新したのに、表の翌月繰越金と通帳の月末残高が合わない。差額の理由が分からず、「その他」の入出金で調整していないでしょうか。
残高差を仮の数字で埋めると、翌月以降も差額が引き継がれ、将来の預金残高や必要な借入額までずれてしまいます。金融機関へ提出する場合も、表の数字が通帳や返済予定表とつながっていなければ、説明に時間がかかります。
日本政策金融公庫の資金繰り表記入例でも、期首の残高は預金通帳などから確認し、借入予定額や返済予定額は返済予定表などから月ごとに記入する形です。資金繰り表は利益を計算する表ではなく、実際の現金・預金の動きをつなぐ表だからです。
今回は、資金繰り表と通帳残高が合わないときに確認したい5項目を、見つけやすい順番で整理します。
残高差は、基準日と対象口座をそろえたうえで、未記帳、借入返済、繰越・数式の順に確認します。
1.同じ基準日で比べているか
最初に確認するのは、比較している日付です。資金繰り表が「7月31日終了時点」なのに、通帳側は8月1日の引落し後の残高を見ていれば、当然一致しません。インターネットバンキングの画面も、当日残高と前日残高を取り違えないようにします。
月末が土日祝日の場合は、予定していた支払いが翌営業日に動くことがあります。資金繰り表の実績欄へ入れるのは、予定日ではなく実際に口座から動いた日です。まずすべての資料へ同じ基準日を書き、基準日より後の取引を比較対象から外します。
2.対象口座を全部含めているか
次は、資金繰り表の「現金・預金」に何を含めているかを確認します。メイン口座だけでなく、売上入金専用口座、給与や税金の引落し口座、普通預金以外の事業用口座、手元現金を含めている場合は、それらを同じ範囲で集計します。
自社口座間の資金移動にも注意が必要です。A銀行からB銀行へ100万円を移しただけなら、会社全体の現預金は増減しません。片方の出金だけを支出に入れ、もう片方の入金を記録していないと、100万円の差が生じます。口座別明細と全口座合計の両方を持つと、振替の片側漏れを見つけやすくなります。
3.未記帳の入出金がないか
基準日と口座範囲がそろったら、通帳明細と資金繰り表を上から突き合わせます。売掛金の入金、仕入代金、給与、家賃、カード代金、税金・社会保険料、手数料など、表にまだ反映されていない取引がないかを確認します。
現金で支払った経費を資金繰り表へ入れた一方で、手元現金を残高に含めていないケースもあります。反対に、会計ソフトへ仕訳した日と通帳から実際に動いた日が異なることもあります。資金繰り表では会計上の計上日ではなく、入出金日を基準に整理します。
4.借入返済の元金と利息を分けたか
借入金の返済は、一回の引落額に元金と利息が含まれることがあります。返済予定表の元金だけを資金繰り表へ記載し、通帳では元金と利息の合計が引き落とされていれば、利息分の差が残ります。
資金繰り表では、借入による入金と元金返済を財務収支、支払利息を経常収支として分けておくと、借入に頼らない事業の収支も見やすくなります。新規借入、繰上返済、保証料なども通帳明細と借入資料を照合し、別々の項目で記録します。
5.前月繰越・符号・数式を確認する
最後に表の計算を確認します。今月の前月繰越高は、前月の翌月繰越金と一致しているか。収入はプラス、支出と返済はマイナスになっているか。同じ行を二重に足していないか。数式の参照範囲が途中で切れていないかを見ます。
修正は「前月繰越高を通帳残高へ合わせる」だけで終わらせず、差が生じた取引まで特定します。差額と同じ金額の入出金がないかを探し、見つからなければ半額・倍額、符号反対、口座振替の片側を確認すると効率的です。
残高差を解消する作業順
まず基準日と対象口座を固定し、口座ごとの残高一覧を作ります。次に、通帳明細へチェックを付けながら資金繰り表と一件ずつ照合します。その後に返済予定表と数式を確認し、修正後の翌月繰越金が全口座の実残高と一致することを確かめます。
差額を仮の「その他」で処理しないこと、原因と修正内容をメモに残すこと、修正後の残高を翌月の起点にすること。この3点を守ると、同じ差が繰り返されにくくなります。
ココナラでは、銀行提出用の資金繰り表作成を承っています。直近3〜6ヶ月の実績と今後12ヶ月の予測を整理し、金融機関へ説明しやすい形に整えます。資料がすべてそろっていない場合も、購入前にサービスページからご相談ください。
※本サービスは融資結果を保証するものではありません。税務・会計上の個別判断は、税理士等の専門家へご確認ください。