「銀行に融資を相談したいが、いくら申し込めばよいかわからない」。
融資相談の準備で、意外と悩むのが申込額です。少なすぎれば数か月後に再び資金不足となり、多すぎれば資金使途や返済計画の説明が難しくなります。
申込額は「なんとなく500万円」ではなく、今後12か月の預金残高が最も低くなる地点から逆算すると説明しやすくなります。この記事では、その手順を3ステップで整理します。
感覚ではなく「残高の谷」から決める
現在の通帳残高だけを見て、借入額を決めるのは危険です。今は残高があっても、数か月後に税金、賞与、設備代金、借入元金の返済が重なることがあります。反対に、大きな売上が計上されていても、入金が翌月以降なら、支払いにはまだ使えません。
必要なのは、月ごとの入金と出金を並べて、各月末の預金残高を予測することです。資金繰り表で最も低くなる月、つまり「残高の谷」を見つけると、最低限必要な資金が見えてきます。
必要額を出す3ステップ
ステップ1:直近の実績を整理する
まず、通帳や試算表から直近3〜6か月の入出金を整理します。売上の入金時期、仕入・外注費、人件費、家賃、税金、借入返済など、実際にお金が動いた月で並べるのがポイントです。
ステップ2:今後12か月の残高を予測する
次に、受注見込みや回収条件、固定費、税金、借入返済、設備投資などを反映し、今後12か月の月末残高を計算します。予測は楽観的な売上だけでなく、入金が遅れた場合や支払いが増えた場合も確認しておくと、資金不足を早めに把握できます。
ステップ3:不足額に予備資金を加える
例えば、現在の手元資金が600万円あり、7か月後の予測残高が最も低く、マイナス150万円になるとします。この場合、最低限の不足額は150万円です。さらに入金遅れや予想外の支払いに備える予備資金を200万円と置くなら、資金繰り上の必要額は合計350万円です。
図:不足額に予備資金を加え、必要融資額を逆算する考え方です。
予備資金の適正額は、毎月の固定費、入金のばらつき、季節変動によって変わります。ここで出した350万円は「必ず借りられる金額」ではなく、自社の資金繰りから見た必要額です。実際の申込額は、金融機関との相談や返済可能性も踏まえて決めます。
銀行へ説明する3つのポイント
必要額を出したら、次の3点をセットで説明できるようにします。
・資金使途:いつ、何の支払いに、いくら必要なのか
・計算根拠:実績と予測を、どの前提で作ったのか
・返済原資:今後の事業から、どのように返済資金を生み出すのか
「運転資金として500万円必要です」だけでは、金額の妥当性が伝わりません。資金繰り表と前提条件を一緒に示すことで、必要な時期と金額、借入後の残高推移を具体的に説明できます。融資の可否は各金融機関の審査によりますが、社内でも無理のない返済計画を検討しやすくなります。
よくある3つのずれ
1つ目は、現在の残高だけで判断し、数か月後の支払いの谷を見落とすことです。
2つ目は、損益計算書に出にくい借入元金の返済や設備代金、納税を予測から外してしまうことです。
3つ目は、「少ない金額の方が通りやすいだろう」と申込額を小さくしすぎることです。融資後すぐに資金不足となれば、再度の相談に時間がかかります。必要額は小さく見せるのではなく、根拠を持って説明することが大切です。
まとめ
・融資の申込額は、今後12か月の「残高の谷」から逆算する
・不足額だけでなく、自社に合った予備資金も見込む
・資金使途、計算根拠、返済原資をセットで説明する
銀行や公庫へ相談する前に、自社の必要額と資金が不足する時期を整理したい方へ。ココナラでは、直近3〜6か月の実績と今後12か月の予測をもとに、金融機関へ提出しやすい資金繰り表を作成しています。資料がすべて揃っていない場合も、まずは購入前のダイレクトメッセージでご相談ください。