事業計画書の売上予測が伝わらない理由——数字の根拠を3段階に分ける

事業計画書の売上予測が伝わらない理由——数字の根拠を3段階に分ける

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ビジネス・マーケティング
「事業計画書に売上目標は書いたが、銀行から『その数字の根拠は何ですか』と聞かれて、答えに詰まってしまった」。

融資相談では、売上予測の金額だけでなく、どうやってその数字を作ったのかが確認されます。「前年比120%を目指す」「市場が伸びているから売上も増える」だけでは、計画の実現可能性が伝わりにくいからです。

売上予測は、目標額から逆算して数字を置くのではなく、実績、行動、時期の3段階に分けると説明しやすくなります。この記事では、金融機関向けの事業計画書で押さえたい作り方を整理します。

売上予測は「願望」ではなく「積み上げ」

事業計画書に高い売上目標を書くこと自体が問題なのではありません。大切なのは、その目標に到達するまでの道筋を、第三者が追える形にすることです。

例えば「来期売上1億円」とだけ書かれていても、現在の売上水準、新規顧客の獲得数、単価、販売できる時期がわからなければ、妥当性を判断できません。反対に、実績と行動を分解して示せば、計画のどこに強みがあり、どこにリスクがあるかも見えやすくなります。

数字の根拠を3段階に分ける

1.直近の実績を基準にする

まず、直近6〜12か月の売上を商品別、顧客別、店舗別など、自社の事業に合う単位で整理します。単月だけでなく、季節変動や一時的な大型案件も分けて確認します。売上予測の出発点は、希望する金額ではなく、現在どこまで再現できているかです。

2.売上を行動とKPIに分ける

次に、売上を「顧客数×単価×購入回数」などに分解します。受注型の事業であれば「商談数×成約率×平均単価」、店舗型であれば「来店客数×客単価」のように、自社で管理できる指標へ置き換えます。

例えば、月間20件の商談、成約率25%、平均単価20万円なら、新規売上の目安は月100万円です。これはあくまで計算例ですが、目標額だけを書くより、必要な活動量と計算過程が明確になります。

3.月ごとに落とし込む

年間目標を12分の1にするだけでは、立ち上がりの遅れや季節性を表せません。採用後の教育期間、設備の稼働開始、商談から入金までの期間などを踏まえ、売上が計上される月と入金される月を分けて置きます。
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図:売上予測を、実績・行動とKPI・月別計画の3段階で組み立てる考え方です。

銀行が確認したい3つのポイント

売上予測を作ったら、次の3点を説明できるか確認します。

・前提:直近実績や受注状況など、基準にした数字は何か

・行動:誰が、いつまでに、どの活動をどれだけ行うのか

・時期:売上計上と入金が、何月から始まるのか

「達成する予定です」ではなく、前提と行動をセットで説明することが重要です。金融機関は計画通りに進むかだけでなく、未達になった場合に、どの数字を見て修正するのかも確認します。

よくある3つの作り方

1つ目は、年間目標を12か月で均等に割ることです。実際には繁忙期や営業準備の期間があるため、月ごとの動きと合わなくなります。

2つ目は、市場規模に小さなシェアを掛けることです。「市場の1%を取る」という計算は簡単ですが、自社の販売体制や顧客獲得方法とつながっていなければ、実行可能性の説明になりません。

3つ目は、売上だけを増やし、人員や設備を変えないことです。現在の人数で対応できる件数を超える場合は、採用時期、人件費、外注費、設備投資も同時に計画へ反映する必要があります。

売上予測は資金繰りまでつなげる

事業計画書の売上予測は、損益計算書を完成させるためだけの数字ではありません。売上が増える前に、仕入、外注費、採用費、広告費などの支払いが先行することがあります。また、売上を計上しても入金が翌月以降なら、その間の運転資金が必要です。

そのため、売上予測を作った後は、費用計画と資金繰り表につなげて、融資が必要な時期と金額、返済原資まで一緒に確認します。融資の可否は各金融機関の審査によりますが、数字同士のつながりを整えることで、社内でも計画の実行状況を管理しやすくなります。

まとめ

・売上予測は、直近実績を出発点にする

・売上を行動とKPIに分け、計算過程を見える形にする

・月別の売上、費用、入金時期までつなげて確認する

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