「直近が赤字なので、銀行へ融資を相談しても難しいのではないか」
赤字決算では、赤字という結果だけでなく、なぜ赤字になったのか、どの施策で改善するのか、改善後に返済を続けられるかを一つの流れで説明する必要があります。
売上が増える予定、経費を削減する予定と書くだけでは、計画の実現性を判断しにくいものです。今回は、赤字決算で融資を相談するとき、事業計画へ入れたい4つの改善根拠を整理します。
1.赤字の原因を一時要因と継続要因に分ける
最初に、直近決算の赤字を項目別に分解します。
たとえば、設備の修繕、移転、採用、商品廃棄など今回限りの支出と、粗利率の低下、固定費の増加、販売数量の減少など翌期も続く要因は、分けて説明する必要があります。
一時要因なら、発生した金額と翌期に繰り返さない理由を資料で示します。継続要因なら、原因を放置せず、どの指標をいつまでに改善するのかを事業計画へ入れます。
損益計算書を眺めるだけで終わらせず、「売上数量」「平均単価」「粗利率」「人件費」「外注費」「家賃」など、経営上の行動へつながる単位まで分けることが出発点です。
2.売上計画を単価と数量へ分ける
売上計画は、前年比や希望額だけで置かず、単価×数量へ分けます。
既存顧客の継続売上、受注済み案件、商談中の案件、新規開拓による売上を区分し、それぞれの開始月と確度を整理します。小売業なら客数×客単価、受託業なら案件数×平均受注額、月額サービスなら契約社数×月額単価という形です。
例として、月商を300万円から400万円へ増やす計画なら、「新規案件2件×50万円」と分解し、その案件を獲得する営業件数、成約率、担当者、開始時期までつなげます。
売上の根拠は、契約書、受注書、見積書、過去の販売実績、商談一覧など、確認できる資料と結び付けます。
3.改善施策を担当者・期限・数値で示す
改善施策には、実施内容だけでなく、担当者、期限、確認する数値を入れます。
たとえば「外注費を見直す」ではなく、「9月までに主要3社と条件を再協議し、売上高外注費率を翌年3月までに2ポイント下げる」という形です。価格改定、仕入条件の変更、不採算商品の縮小、人員配置の見直しも、実行時期と月次の効果へ落とします。
複数の施策を同時に置く場合は、売上・粗利・固定費のどこへ効くのかを分け、同じ効果を二重に計上しないようにします。
【図】赤字決算を改善計画へつなぐ4つの根拠
4.返済計画を資金繰りへつなげる
損益計画が黒字でも、売掛金の回収、仕入代金の支払い、納税、設備投資、借入返済の時期によっては、手元資金が不足することがあります。
改善後の売上と費用を月別の資金繰り表へ反映し、既存借入と新規借入の元金返済を加えます。残高が最も低くなる月、売上が計画を下回った場合、改善施策が遅れた場合も確認します。
銀行への説明では、希望する借入額と使い道だけでなく、借入によって何を改善し、どの収益から返済するのかをつなげることが重要です。楽観的な一つの計画だけでなく、下振れ時の対応も準備します。
相談前にそろえたい資料
・直近2〜3期の決算書と最新の試算表
・赤字要因の内訳が分かる明細
・受注、商談、販売実績など売上根拠
・改善施策の担当者、期限、月別効果
・借入返済予定表と今後の資金繰り
赤字の理由、売上の根拠、改善施策、返済計画が一つの数字につながれば、経営者自身も計画の弱い部分を確認しやすくなります。
ココナラでは、融資申込用の事業計画書作成を承っています。事業内容と売上・損益・返済の数値計画をつなぎ、数字の根拠を整理します。現在の状況とお持ちの資料を、購入前にサービスページからご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、融資・資金調達・業績改善などの結果を保証するものではありません。税務・会計・法務の個別判断は、内容に応じて税理士等の専門家へご確認ください。
参考
・J-Net21「金融機関に提出する事業計画書の書き方を教えてください。」
・日本政策金融公庫「経営改善計画書(記入例)」