銀行や日本政策金融公庫など、複数の金融機関から借入をしている会社では、「今月の返済額は分かるが、半年後の資金残高までは見えていない」という状態が起こりがちです。
通帳から毎月の引落額を拾うだけでは、元金と利息の内訳や、返済終了月、据置期間終了後の増額を見落とすことがあります。資金繰り表を実務で使える形にするには、まず金融機関から交付された返済予定表を借入ごとに並べ、月別に集計することが大切です。
今回は、複数の借入を資金繰りへ反映するときに確認したい4つの数字を整理します。
1.期首の借入残高
最初に、借入ごとの期首残高を確定します。「A銀行」「B信用金庫」だけでまとめず、同じ金融機関でも契約単位で分けるのがポイントです。
管理表には、金融機関名、借入日、当初借入額、期首残高、返済日、最終返済日、金利、返済方法、据置期間を記載します。これにより、借入残高の全体像と、どの契約がいつ終わるかを一度に確認できます。
決算書の借入金残高と管理表の合計が合わない場合は、新規借入、借換え、繰上返済、返済予定表の更新漏れを確認します。ここがずれたままでは、将来の返済額も正しく積み上がりません。
2.月別の元金返済額
次に、各返済予定表から元金返済額を月別に転記します。元金は借入残高を減らす支出であり、資金繰り表では借入金返済として扱います。
毎月同額に見えても、初回返済、最終回、ボーナス返済、据置期間終了後などで金額が変わることがあります。「毎月およそ30万円」と丸めず、返済予定表に記載された金額を月単位で入力します。
新たな借入を予定している場合は、入金予定月に借入収入を置き、その後の元金返済を別行で記載します。借入による入金と返済による出金を分けると、資金調達後の残高推移が見やすくなります。
返済予定表から資金繰りへ反映する基本の流れ
3.月別の利息支払額
元金と利息は分けて管理します。元金は借入残高を減らしますが、利息は費用として資金が流出します。引落総額だけを返済額として入力すると、借入残高の計算が合わなくなります。
利息は残高や金利、日数によって変わるため、単純に毎月同額としないことが重要です。実際の支払額は、金融機関発行の返済予定表や明細を基準にしてください。変動金利の借入は、金利改定後の予定表が届いたら資金繰り予測も更新します。
4.期末の借入残高
各月の残高は、「前月末残高+新規借入-元金返済」でつなぎます。月別に計算した期末残高と、返済予定表上の残高が一致するかを確認します。
複数の借入がある場合は、契約別の表と、全借入を合算した月次表の両方を持つと便利です。合算表では、元金返済総額、利息支払総額、借入残高、最終返済月を一覧化します。特定の月だけ返済負担が大きくなる場合も早めに把握できます。
数字で見ると分かりやすい
たとえば、A銀行の元金返済が月20万円、B信用金庫が月10万円で、ともに12か月同額だとします。この場合、毎月の元金返済は合計30万円、年間では360万円です。
ただし、B信用金庫に3月だけ150万円の最終返済があるなら、3月の資金流出は通常月より大きくなります。年間合計だけでなく月別に見る理由は、この山を事前に見つけるためです。利息はこの例の元金とは分け、実際の返済予定表に基づいて加えます。
返済予定表は「過去の借入を確認する資料」ではなく、将来の現金残高を予測するための基礎資料です。すべての借入を契約別に整理し、元金と利息を月別に積み上げることで、追加融資の相談時期や、返済負担が重い月を早めに判断しやすくなります。
ココナラでは、銀行提出用の資金繰り表作成を承っています。直近3〜6ヶ月の実績と今後12ヶ月の予測を整理し、金融機関へ説明しやすい形に整えます。資料がすべてそろっていない場合も、購入前にサービスページからご相談ください。
本記事は一般的な情報提供であり、融資の実行や資金調達の成果を保証するものではありません。実際の返済額、返済日、金利、据置期間などは契約内容や金融機関発行の返済予定表をご確認ください。個別の税務・会計判断は、税理士・公認会計士などの専門家へご確認ください。