経験記述の技術的課題「珍しい工事」でなくていい理由

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「うちの工事は普通すぎて、技術的課題として書けることがない」。経験記述に取りかかると、多くの人がまずこう感じます。特殊な工法でも、大きなトラブルでもない、ごく普通の現場だったから書きようがない、という悩みです。
結論から言うと、これが最大の勘違いです。技術的課題は珍しさで決まるものではありません。今回は、その勘違いがどこから生まれるのかと、実際にどう見つければよいのかを整理します。

「書くことがない」という相談の正体

「書くことがない」と感じている人の下書きを見ると、たいてい工事そのものには十分な材料があります。話を聞くと、頭の中で技術的課題を「珍しい工法を採用した」「大きな事故が起きた」といった、目立つ出来事と同じものだと捉えていることがほとんどです。
目立つ出来事がない工事は、そもそも技術的課題を書く土台がないと思い込んでしまう。ここが詰まりの正体です。

技術的課題は「必然」であって「珍しさ」ではない

技術的課題とは、現場条件から必然的に生じた、放置すると品質・安全・工程のどれかが崩れる事象のことです。この定義に、工事の珍しさは一切含まれていません。
つまり「書くことがない」の正体は、経験の不足ではなく、自分の現場条件を課題として言い換えられていないことです。軟弱地盤も、狭い施工ヤードも、供用中の道路に近接した作業も、それ自体はどこにでもあります。ありふれているからこそ、対策を怠ったときに何が崩れるかがはっきりしていて、課題として書きやすい。珍しい工事を探しに行く必要はなく、いま手元にある工事の条件を、崩れる側から見直すだけで足ります。

大きな事故やトラブルを書こうとして失敗する型

逆に、珍しさを求めて事故や重大トラブルを技術的課題に選ぶと、別の理由で失敗しやすくなります。
理由の1つは、事故対応の多くが自分の権限を超えた話になることです。対策の決定が上位者や協議会に委ねられていると、検討したのは自分ではなくなり、設問が求める「自分が検討し実施した」内容から外れてしまいます。
もう1つは、原因究明に紙面を割きすぎることです。何が起きたかの説明に文字数を使ってしまい、肝心の検討項目・対応処置・評価が薄いまま終わる答案をよく見ます。技術的課題は、大きな出来事の説明ではなく、そのあとの検討と処置を厚く書ける題材であることが大切です。

見つけ方は「制約条件」から逆算する

技術的課題に迷ったら、出来事ではなく制約条件から考え直してください。工事にはたいてい、工期・空間・気象・第三者・地盤のいずれかの制約がかかっています。工期は工程を圧迫する納期や関連工事との調整、空間は狭隘な施工ヤードや仮設スペースの制限、気象は降雨や気温、第三者は近接構造物や供用中の交通、地盤は軟弱地盤や地下水位です。
このうち、自分が実際に手を打ったものを1つだけ選んでください。複数の制約を並べる必要はありません。1つの制約が、品質・安全・工程のどの管理項目を脅かしていたかを言葉にすれば、それがそのまま技術的課題になります。

まとめ

技術的課題の見つけ方は3つに整理できます。1つ目は、技術的課題は珍しさではなく、現場条件から必然的に生じた事象だということ。2つ目は、大きな事故やトラブルを選ぶと権限の範囲を超えたり原因究明に紙面を取られたりして失敗しやすいこと。3つ目は、工期・空間・気象・第三者・地盤という5つの制約条件のうち、自分が実際に手を打ったものを1つ選べば、そこから技術的課題が定まるということです。
自分の現場条件から選んだ技術的課題が、実際に必然性を持って絞り込めているか。ここも、書いた本人ほど気づきにくいところです。下書きを外から見てほしいという方は、こちらで承っています。
ご購入後の流れは次のとおりです。トークルームで工事の概要をうかがうヒアリングシートをお送りします。ご記入いただいた内容と下書き2テーマを受け取ってから24時間以内に、技術的課題が現場条件から具体的に絞られているかを含めた赤入れ(NG から OK への書き換え案つき)と判定表をお返しします。返却後の書き直しを一度分まで含みます。あなたが実際に経験した工事のみを対象とし、合格を保証するものではありません。
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