そのデータ、本当に分析できますか?

そのデータ、本当に分析できますか?

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IT・テクノロジー

前回の記事「その作業、本当に必要ですか?」を書きながら、これまで数え切れないほどレポートを作成してきたことを思い出しました。


そして、レポート作成のたびに必ずと言っていいほど出てくる課題があります。

それは、

「レポートに必要なデータがない!」

ということです。

もちろん、データそのものが存在しないわけではありません。

実際には、

「分析したい形でデータが存在していない」

ことが多いのです。

## 基幹システムの目的とは

多くの企業の基幹システムは、

・受発注
・出荷
・在庫管理
・請求
・会計

といったオペレーションを滞りなく実行するための仕組みです。

つまり、

「正しく業務を回すこと」

が目的です。

そのため、

・製品コード
・数量
・単価
・顧客コード
・出荷日

などの情報は管理されています。

これらは受注から出荷、請求、会計処理までを正しく行うために必要だからです。

## 経営判断で必要な情報は別に存在する

一方で、プロダクトマーケティングや経営判断では、

・どの市場が伸びているのか
・どの製品群が成長しているのか
・どの顧客層に注力すべきか
・今後どの商品へ投資すべきか

といった情報が必要になります。

ここで重要なのは、

オペレーションに必要なデータと、
経営判断に必要なデータは、
そもそも目的が異なる

ということです。

## 私の経験から

例えば私が扱っている製品には「出力電力」という重要な情報があります。

システム上には、

・150W
・250W
・600W

といった数値は存在しています。

しかし、プロダクトマーケティングでは、

・100W~300W帯
・300W~500W帯
・500W以上

といった区分で市場を見ることが重要になる場合があります。

ところが、その区分はシステムには存在していません。

なぜなら、

受発注や出荷には必要ないからです。

つまり、

データは存在している。
しかし、分析したい形では存在していない。

という状態です。

## データがないのではなく、設計されていない

ここで考えたいのが、

「どのデータをトランザクションに持たせるのか」

ということです。

例えば、

製品名
製品コード
単価

などは日々の業務に必要です。

しかし、

・製品カテゴリー
・出力帯分類
・市場区分

などは必ずしも受注時に必要ではありません。

こうした情報は、

製品マスターや別テーブルとして管理し、

必要に応じて紐付けることができます。

この考え方を理解すると、

データの持ち方や分析の幅が大きく広がります。

## 後から追加できない場合はどうするのか

理想的には最初から必要な情報が設計されていることです。

しかし、現実にはそうではありません。

システム変更が難しい場合もあります。

その場合は、

製品コードなどのキーで紐付けできる補完テーブルを用意することで対応できます。

私は、このような補完情報を管理する仕組みが、

経営判断のスピードと質を大きく左右すると考えています。

## まとめ

多くの企業では、

「どのツールで分析するか」

に注目が集まります。

しかし私が業務改善やデータ分析に取り組む中で感じているのは、

「何を知りたいのか」

を先に決めることの方が重要だということです。

知りたいことが決まれば、

・どのデータが必要なのか
・どこで取得するのか
・どこに持たせるのか

が見えてきます。

私は、

「データ分析の前にはデータ設計がある」

と考えています。

分析ツールやAIを活用することも大切ですが、

その前に、

・本当に知りたいことは何か?
・そして、そのためのデータは取得できているのか?

を考えることが、より重要なのではないでしょうか。


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