新しい一歩を踏み出したいとき、考えてみたいこと

新しい一歩を踏み出したいとき、考えてみたいこと

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※この記事は、雑誌の人生相談コーナーでの経験をもとに書いています。

以前、多くの悩み相談を読んで思ったのは、

「変わりたい」と思っているのに、

なかなか動けない人が、とても多いということです。


たとえば、

・転職したいと思っているのに、今の仕事を辞められない

・別れたほうがいいと思っているのに、恋人との関係を変えられない

・やってみたいことがあるのに、なかなか始められない

そうやって、

「動きたいのに動けない」

という状態が続いていく。


こういうとき、人は自分を責めます。

「自分は意志が弱い」

「覚悟が足りない」

「結局、何も変えられない」

でも、少し冷静に考えると分かることがあります。

それは、

「変わりたい」という気持ちと、

「変わるのが怖い」という気持ちは、

同時に存在できるということです。


たとえば、転職したいとします。

今の仕事に不満がある。

もう辞めたいと思っている。

それでも、いざ辞めようとすると、

「次の仕事が見つからなかったらどうしよう」

「今より条件が悪くなったらどうしよう」

「この年齢で転職できるだろうか」

そんな不安が出てくる。


すると、

「今の仕事を辞めたい」

という気持ちより、

「辞めた後が怖い」

という気持ちのほうが大きくなってしまう。

つまり、

新しい一歩を踏み出せない人は、

「変わりたくない」のではありません。

「変わった後のことが怖い」

ということがあります。


そして、もう一つが、

今の状態には、

「嫌なところがあっても、分かっている」

という安心感があることです。


今の仕事が嫌でも、

仕事内容は分かっている。

人間関係も分かっている。

毎月の生活がどうなるかも分かっている。

一方で、新しい環境は分からない。


人は、

必ずしも「今が幸せだから」動かないのではありません。

「今のほうが、先が分かるから」

という理由で、

その場所に留まることがあります。


だから、

新しい一歩を踏み出せないことを、

すぐに「意志が弱い」と考えなくてもいい。

むしろ、

変わることで失うものや、

変わった後のことを真剣に考えているからこそ、

動けなくなっている場合もあります。


ただ、ここからが難しいところです。

自分では、

「転職するのが怖い」

「失敗するのが怖い」

と思っていても、

本当に怖がっているものが、それだけとは限りません。

転職したいのに辞められないのは、

失敗するのが怖いのか。

それとも、

本気でやってみて、

「自分にはできなかった」と分かるのが怖いのか。


ここが、

自分一人ではなかなか分からないところです。

「怖いから動けない」

と思っていても、

その「怖い」の中には、

いくつもの気持ちが混ざっていることがあります。

不安。

寂しさ。

後悔したくない気持ち。

失うことへの恐れ。

自分に自信がない気持ち。

それが一緒になって、

「動けない」という一つの感情になっている。


だから、

「勇気を出して動けばいい」

と簡単には言えません。

大切なのは、

まず自分が何に引っかかっているのかを知ることなのかもしれません。


新しい一歩を踏み出したいのに動けないとき、

「どうして自分は動けないんだろう」

と自分を責めるのではなく、

「私は、何を失うのが怖いんだろう」

「何が起きるのを恐れているんだろう」

と考えてみる。

そこから、

今までとは少し違ったものが見えてくることがあります。


悩みというのは、

自分一人で考えていると、

同じところを何度も行ったり来たりしてしまうことがあります。

誰かに話してみることで、

「自分が本当に怖がっていたのは、そこだったのか」

と気づくこともあります。

私は普段、

そんなふうに、

頭の中で絡まってしまった悩みを整理するお手伝いをしています。

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