サブリースにはどんな価値があるのか

サブリースにはどんな価値があるのか

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マネー・副業
~ 空室リスクや費用負担の観点から、仕組みを検証します ~

アパート経営では「サブリースは中途解約ができない」「家賃が下がる」など、慎重な意見が語られることが少なくありません。

しかし、実務を丁寧に検証していくと、ネット上で広まっているイメージとは異なる “真の価値” が見えてきます。

元々アパート経営には、空室リスク・家賃下落リスク・募集費用の負担・原状回復義務・大規模修繕費用・築年数の進行に伴う市場評価の逓減といったオーナーにとって重い負担がいくつも存在しているものです。

サブリースでは、これらの負担をどこまで外部化できるのか── その仕組みを検証することで、制度の本質がより明確になります。

今回は、サブリースの価値を わかりやすく、論理的に、そして実務に沿って 検証します。


■ 空室リスクは“ゼロ”ではなく “ゼロに近づく”
サブリースは「空室リスクゼロ」と言われますが、厳密には免責期間が存在します。実務では1か月前後が設定されるケースが多く、ひとつの目安とされています。

仮に免責期間が1か月だとして、10年間で2回の入れ替えがあれば、免責となるのは合計2か月です。
120か月のうち2か月、つまり約1.7%だけが“空室扱い”になる計算です。
入居期間が長くなるほど、この割合はさらに小さくなり、実務上の空室率はゼロに近づいていきます。

一方、通常のアパート経営では、最も空室リスクが高まりやすい地方エリアの市場統計データで、平均空室率は約7.5%とされています。

この空室リスクを事業者側が肩代わりしてくれる点こそ、サブリースの圧倒的なメリットと言えます。

■ 募集費用が完全にゼロになる
通常のアパート経営では、空室が出るたびに以下の費用が発生します。

 • 仲介手数料(家賃1か月分)
 • 広告料(AD:家賃1〜2か月分)
 • 原状回復費用
 • クリーニング費用
 • 鍵交換費用

特に広告料(AD)は、地方や築古では家賃2か月分が一般的で、空室が出るたびにオーナーのキャッシュフローを大きく圧迫します。
仲介手数料も同様で、入居者を決めた不動産会社への成功報酬として、オーナー側が家賃1か月分を支払うのが実務慣行です。

しかし、サブリースでは、入居者募集は事業者側の責任となるため、これらの募集費用はすべて事業者負担になります。
仲介手数料が不要になるのは、オーナーではなくサブリース事業者が「客付けの依頼主」になるためです。
事業者が自らのネットワークで入居者を確保するため、オーナーに仲介手数料が請求される構造そのものが存在しません。

その結果、募集費用が一切かからない。
これはオーナーのキャッシュフローにとって非常に大きなメリットです。

■ 原状回復費用もサブリース会社負担が主流
最近のサブリース契約では、退去時の原状回復費用をサブリース会社が負担する契約が主流化しています。

本来、通常のアパート経営では 原状回復費用はオーナー負担 です。
これは、賃貸借契約の構造上、オーナーが「建物の所有者」であり、入居者が退去した後の部屋を次の入居者に貸し出せる状態に戻す責任を負っているためです。
入居者が負担するのは「故意・過失による損耗」のみであり、通常損耗や経年劣化はオーナー側の負担となるのが法律上の原則です。

そのため、通常のアパート経営では、 1室あたり3〜10万円、築古なら10〜20万円の原状回復費用が発生することも珍しくありません。
空室が出るたびにこの費用が積み重なるため、オーナーのキャッシュフローを大きく圧迫します。

一方サブリースでは、サブリース会社が「借主」として部屋を一括で借り上げているため、退去後の原状回復も事業者側の責任となります。
その結果、オーナーは原状回復費用を負担する必要がなく、これがゼロになるのは極めて大きなサブリースの経済的メリットです。


■ 大規模修繕もサブリース会社負担の契約が増えている
アパート経営では、定期的に必ず大規模修繕が必要になります。

外壁塗装
屋根防水
共用部改修
給排水管更新

これらは 数百万円〜数千万円規模 の費用がかかり、オーナーのキャッシュフローを最も強烈に圧迫する支出です。
通常のアパート経営では、建物の所有者であるオーナーがこれらの修繕費用を負担するのが制度上の原則であり、避けることはできません。

しかし最近は、大規模修繕をサブリース会社が負担する契約が増えています。
これは、サブリース会社が「建物を一括で借り上げて事業運営する立場」であるため、建物の維持管理を自社の事業コストとして扱うケースが増えているためです。

大規模修繕は、オーナーのキャッシュフローに与える影響が桁違いです。たとえば外壁塗装だけでも 300〜600万円、給排水管更新なら 1,000万円を超えることもあります。これらが定期的に必ず発生するため、通常のアパート経営では「当初は黒字でも、修繕で一気に赤字化する」 ということが珍しくありません。

その最も重い大規模修繕リスクをサブリース会社が肩代わりしてくれる契約は、 オーナーにとって キャッシュフローの安定性を飛躍的に高めるものであり、サブリースのメリットの中でも特に大きな価値を持ちます。


■ 家賃が下がるのは “サブリースのせい” ではない
ネット上では「サブリースだから家賃が下がる」と言われますが、これは完全な誤解です。 家賃はサブリースでなくても、築年数の進行とともに市場相場に合わせて必ず下落します。

築20年:新築時の70〜80%
築30年:新築時の60〜70%
築40年:新築時の50〜60%

これは全国の賃貸市場で共通する 相場の動き であり、建物の宿命です。
つまり、家賃の下落はサブリースのせいではありません。

むしろサブリース会社は、周辺相場を継続的に調査し、市場家賃に合わせて保証家賃を調整しているだけです。以前の記事に書いたように、サブリース会社の家賃減額は「恣意的な値下げ」ではなく、 相場に基づく合理的な調整 です。

■ サブリースは“4つの重いリスク”を外部化する仕組み
サブリースは、オーナーが本来負担するべき 4つの重いコスト(空室リスク・募集費用・原状回復費用・大規模修繕費用) を事業者側に移転できる仕組みです。
まとめると、サブリースの価値は次の4点に集約されます。

空室リスクをゼロに近づける
募集費用ゼロ
原状回復費用ゼロ
大規模修繕費ゼロ

これらの負担を外部化できる点こそ、サブリースの本質的なメリットであり、アパート経営に伴うリスクを大きく軽減する合理的な仕組みと言えます。

では、サブリースのデメリットはどこにあるのでしょうか。
考えられるとすれば、管理報酬割合の高さが挙げられます。
この点については、管理委託契約と比較した 長期収支シミュレーション を行うことで、どちらが有利かを数字で明確に判断できます。
ここまでの話を数値化すると、サブリース契約と管理委託契約のどちらが長期的に有利か、ひと目でわかるようになります。
次回は、これらの要素をすべて数値化した 長期収支シミュレーション を比較します。
アパート経営の判断材料として、非常に有益な内容になるはずです。

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