ポップなのに、痛い。 ー中島哲也監督作品が教えてくれる、人の弱さの受けとめ方

ポップなのに、痛い。 ー中島哲也監督作品が教えてくれる、人の弱さの受けとめ方

記事
コラム
パソコンでしか
ココナラブログが書けないのが痛いです。

なぜか一定時間、
パソコンからココナラに入れないんですよね(笑)


…というわけで
今日も映画のお話し。


中島哲也監督の映画を観終わったあと、
なんだか、いつも不思議な感覚になります。 


画面は、
びっくりするほどカラフルで、
ポップで、
きらきらしている。


それなのに、
胸の奥にはずしんと重たいものが残る。


「下妻物語」
「嫌われ松子の一生」
「パコと魔法の絵本」
「告白」
「渇き。」
「来る」


全部観ましたが、
どの作品も含んでいる

「明るい映像」と「痛い本音」の同居が、
たまらなく好きです。


今日は、
そんな中島作品の魅力と、

私が傾聴の仕事で感じていることを
重ねて書いてみたいと思います。



きれいな色の中に、人間のえぐさがある


中島監督の映画は、
映像がとにかく華やかです。


ロリータファッション、
ミュージカル、
絵本のようなCG。

見た目だけなら、
ファンタジーやコメディだと思って観始める人も多いはず。


でも、
物語の中心にいるのは、

嫉妬、執着、復讐心、
愛されたいのに愛されない寂しさ、
といった、
人間のいちばん生々しい部分です。


きれいな包装紙に包まれているのに、
中身は剥き出しの感情。


この落差が、
観る側の心をぐっとつかんで離しません。



「嫌われ松子の一生」の、どうしようもなさ


特に好きな
「嫌われ松子の一生」は、

愛されたくて、
ただ必死に生きた女性の一生を描いた作品です。


松子は、
決して「賢い生き方」をしません。

誰かに頼っては裏切られ、
また別の誰かにすがっては傷つく。

周りから見れば
「なんでそうなるの」と
言いたくなるような選択を、
何度も繰り返してしまいます。


それでも、
映画は松子を笑いものにも、
ただ可哀想な存在にもしません。

ポップな歌とカラフルな映像の中で、
松子の「愛されたい」という切実さだけが、
まっすぐ伝わってくる。


観ているうちに、
彼女の弱さを責められなくなっているんです。



「告白」の、静かで冷たい怒り


もうひとつ大好きな「告白」は、
一転して、とても静かで冷たい作品です。

教師が、
教室で淡々と語り始める。

その声の静けさの奥に、
怒りと悲しみと復讐心が渦巻いている。


登場する子どもたちもまた、
承認欲求や孤独や歪んだ思いを抱えていて、
誰ひとり「きれいな人」はいません。


観ていて苦しいのに、目が離せない。

それはきっと、
どの登場人物の中にも、

私たち自身の
「見せたくない部分」が映っているからだと思います。



「パコと魔法の絵本」の、やさしい不器用さ


「パコと魔法の絵本」は、
毎日記憶がリセットされてしまう少女と、
頑固で偏屈な老人が出会う物語です。


色とりどりの世界はおとぎ話のようなのに、

登場する大人たちはみんな、
どこか情けなくて不器用。


忘れられてしまうと分かっていても、
毎日向き合い続ける姿を観ていると、

「ちゃんと相手に向き合う」ことの
尊さを思い出します。


傾聴にも、
通じるものがあると感じました。



「渇き。」の、取り繕えない人間の姿


「渇き。」では、
行方不明になった娘を捜す父親が、
知らなかった娘の姿に向き合っていきます。


この父親は、
決して「いい人」ではありません。

それでも映画は、
彼を善悪で切り分けません。

誰かを大切に思っているつもりで、
実は何も見えていなかった。


そんな痛みは、
相談の中でお聴きする
家族の悩みにも重なります。



「来る」の、幸せそうな顔の裏側


「来る」は、
ホラーの形を借りた、
家族の物語だと思っています。


外から見れば幸せそうな家庭の、
取り繕われた部分が、
得体の知れないものを引き寄せていく。


人は誰でも、
「ちゃんとした自分」を
演じてしまうことがあります。

その裏にある不安や後ろめたさも、
否定せずに受けとめたい。

そう思わせてくれる作品です。



傾聴の仕事で感じること


電話やチャットでお話を聴いていると、

最初は明るく話してくれる方が、
ふとした瞬間に本音をこぼすことがあります。


「実は、ずっとあの人のことが許せなくて」
「こんなこと思う自分が、嫌になるんです」


嫉妬、
怒り、
羨ましさ、
投げやりな気持ち。


人にはなかなか言えない
「醜い」と思ってしまう感情ほど、
心の奥にしまわれています。


中島作品の登場人物たちは、
そういう感情を隠さず、
全身で生きています。


そして映画は、
それを裁きません。

ただ、
そこにある人間の姿として、見せてくれる。



私が傾聴で大切にしたいのも、
同じ姿勢です。

弱さも、醜さも、どうしようもなさも、

「それも含めて、あなたなんだね」と、
否定せずに受けとめること。


正しいアドバイスをする前に、

まず、
その気持ちがそこにあることを認めること。



きれいじゃない気持ちも、ここにいていい


中島監督の映画を観ていると、

「人間って、きれいじゃなくていいんだな」
と思えてきます。


ずるい気持ちも、
情けない気持ちも、
誰かを恨む気持ちも、

全部ひっくるめて人間らしさなんだと。

そう思えると、
自分の中の「見せたくない部分」とも、
少し仲良くなれる気がします。


ちなみに、
8月に公開された新作
「時には懺悔を」も気になっています。

これまでとはまた違う角度から、
人の痛みと向き合う作品のようで、
観るのが楽しみです。



もし今、
誰にも言えない気持ちを抱えていたら、
きれいに整えなくても大丈夫です。


ぐちゃぐちゃのまま、聴かせてください。


ポップな映画の裏側にある痛みを、
一緒に味わうように。


あなたの気持ちも、そのまま受けとめます。



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す