静かな痛みを、そのまま描くということ 〜行定勲監督作品と、話を聴くということ。〜

静かな痛みを、そのまま描くということ 〜行定勲監督作品と、話を聴くということ。〜

記事
コラム
こんばんは、原田です(*^^*)


今日は、
私が10回以上観てしまうほど
大好きな作品を撮っている監督、
行定勲監督についてお話ししたいと思います。


GO
リバースエッジ
世界の中心で、愛をさけぶ
ナラタージュ
窮鼠はチーズの夢を見る
リボルバー・リリー
春の雪
ピンクとグレー
劇場


…わりと作品数を観ていました。



「リバースエッジ」に、何度も帰ってきてしまう理由


私が一番思い入れが強いのは
リバースエッジ」です。

原作は読んだことがないのですが、

この映画だけで
十分すぎるくらい刺さってしまって、
気づけば10回以上観ています。


内容自体は、
決して明るいものではありません。

若者たちの虚しさ、
痛々しさ、
誰にも言えない痛みを抱えながら、

それでも日常を回していく姿。


ちいさな事件は頻発するけど、
大人たちにとってみたら大したことはないこと…。


画面から漂ってくる空気が、低温高湿。

静かなのに、
心の奥がざわざわするような感覚が続くんです。


なぜ
こんなに惹かれるんだろうと考えてみると、

多分
痛みを、変に美化せずそのまま置いている
ところが大きいんだと思います。


分かりやすく救われるわけでも、
分かりやすく絶望するわけでもなく、

ただそこに
「痛みを抱えたまま生きている人」がいる。

その距離感が、
逆にリアルで、
忘れられなくなるんだと思います。



 同じ空気を感じた「チワワちゃん」


「リバースエッジ」と同時期に、

青春映画
チワワちゃん」も観たのですが、
こちらも本当に良かったです。

あの時代特有の若者の虚無感や痛々しさを、

容赦なく、
でも突き放しすぎずに見せてくる感じが、

「リバースエッジ」と近いものを感じました。


正直、
もっと評価されてもいいのにな…
と思うくらい好きな作品です。



「GO」「窮鼠はチーズの夢を見る」「劇場」に流れる、共通の温度


行定監督の作品を並べてみると、

テイストはバラバラなようで、
実は根っこに共通したものがあるように感じます。


「GO」は
疾走感があってエネルギッシュな作品ですが、

その裏には
自分の居場所やアイデンティティに悩む
不器用さがしっかり描かれています。

窪塚洋介さんの演技もあって、
青さと痛みが絶妙に同居している作品だと思います。


「窮鼠はチーズの夢を見る」や
「劇場」も、

恋愛や人間関係の中で、
うまく言葉にできない気持ちや、
分かっていてもどうにもならない不器用さを、

静かに、
でも生々しく描いています。


派手な演出で盛り上げるのではなく、

間や表情、
沈黙で語らせる。

その繊細なタッチが、
行定監督ならではの魅力だと思います。


同じように
青春や痛みを描く
岩井俊二監督とも作風が近いと感じるのですが、

私にとっては
行定監督の作品の方が観やすく感じます。


痛みの見せ方の温度感が、
少しだけ優しいからなのかもしれません。



静かな痛みを、そのまま聴くということ


行定監督の作品に共通しているのは、

痛みや不器用さを
「解決」しようとしないところだと思います。

無理に前向きな結論に持っていかず、
ただその感情がそこにあることを、
丁寧に描き続ける。


これは、
私が普段お話を聴くお仕事をしている中で、
すごく大切にしていることと重なります。


相談してくださる方の話を聴いていると、

必ずしも
「解決策」を求めているわけではなく、

ただその痛みや迷いをそのまま受け止めてほしい、
という方が多くいらっしゃいます。

無理にアドバイスをしたり、
明るい方向に話を持っていこうとしたりせず、

まずはその人が抱えている静かな痛みを、
そのままの形で聴く。



行定監督の作品を観るたびに、
その大切さを思い出させてもらっている気がします。


「リバースエッジ」や
「チワワちゃん」のような作品が教えてくれるのは、

痛みは無理に美化しなくていい、

そのままの形で
誰かに聴いてもらえるだけで、
少し楽になれることがある、

ということなのかもしれません。



まだ観たことがない方がいたら、

ぜひ
「リバースエッジ」から入ってみてください。


静かに、
でも確実に、

心のどこかに残る作品だと思います(*^^*)



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