「完璧じゃないなら意味がない」 —ニルヴァーナの誤謬に、私はずっと縛られていた。

「完璧じゃないなら意味がない」 —ニルヴァーナの誤謬に、私はずっと縛られていた。

記事
コラム
「ニルヴァーナの誤謬」
っていう言葉を、最近知りました。


心理学や論理学の世界に、
「ニルヴァーナの誤謬(Nirvana Fallacy)」
という考え方があるらしいです。


簡単に言うと、
「完璧な解決策じゃないなら、それは無意味だ」
と決めつけてしまう思考のクセのこと。


たとえば、

*100点じゃないなら、0点と同じだと感じてしまう

*完全に解決しないなら、動いても無駄だと思ってしまう

*「本当に効果があるかわからない」から、始める前にやめてしまう


こういう考え方、心当たりありませんか?


私は、めちゃくちゃありました(・_・;)

というか、
たぶん今もときどき顔を出します。


余談ですが、
私はカート・コバーンが率いたロックバンド
「ニルヴァーナ」が大好きで、

たまたまYouTubeでこの言葉を知ったとき
「え、あのニルヴァーナ!?」

と一瞬、色めき立ちました(笑)


結論から言うと、
直接の関係はなかったんですが、

調べてみると「ニルヴァーナ」はもともと涅槃、
つまり「悟りの境地」を意味する言葉。

バンド名もそこから取られているので、
まったくの無関係でもなかったみたいです。


 完璧を求めて、自分をすり減らしていた日々


チャットレディの仕事を始めて
もう5年ほどになりますが、

最初の頃の私は
本当に「完璧主義」の塊でした。


お客様との会話ひとつとっても、

「もっと良い返しがあったんじゃないか」

「あの一言で、相手をがっかりさせたかもしれない」

「満点の対応じゃなかったから、私はダメだ」

そんなふうに、
毎回自分を採点しては落ち込んでいました。


完璧に話を聴けたと思える日なんて、
正直ほとんど来ません。

人と人との会話に「満点」なんて存在しないのに、
当時の私はそれを求めていたんです。


そしてしんどいのは、
完璧を求めれば求めるほど、

「じゃあ今日の自分は不合格」
…という結論にしかたどり着けないこと。


60点や70点の対応でも、
相手が少しでも楽になったなら、
それは十分に価値のあることのはずなのに…。


私はその「十分さ」を、
自分に許してあげられませんでした。


「ちゃんと聴けなかった」という後悔も、同じ罠だった


これは相談を受ける仕事をしていると、
本当によくぶつかる感覚です。


「今日はうまく言葉が出てこなかった」

「もっと的確なアドバイスができたはずなのに」

「結局、あの人の悩みは何も解決できなかった」

そう感じて、
自己嫌悪に沈んだ夜が何度もあります。


でも、あるとき気づいたんです。

「悩みが完全に解決すること」を、
聴くことのゴールにしてしまっていたこと自体が、
そもそも間違っていたんじゃないか、と。


人の悩みって、
そんなに単純に「解決」するものじゃないですよね。


長年抱えてきた家庭の悩みも、
職場での孤独感も、
自分でも言葉にできない胸のモヤモヤも。

1回の会話で
綺麗さっぱり消えることなんて、まずありません。


それなのに私は、
「完全に解決できなかったなら、私が聴いた意味はなかった」
と、

勝手に自分の仕事にバツをつけていたんです。


これこそまさに、
ニルヴァーナの誤謬でした。


「完璧じゃない」と「価値がない」は、まったく別のもの


この誤謬の怖いところは、

「まあまあ良いもの」や
「少し前進したもの」の価値を、

自分で見えなくしてしまうことだと思います。


*100%は解決しなかったけど、
話す前より少し呼吸が楽になった

*完璧な答えは出せなかったけど、
「聴いてもらえた」という安心感は残った

*満点の対応じゃなかったけど、
次に繋がる一歩にはなった


こういう「70点の価値」を、
私はずっと過小評価していました。


でも、実際にお客様から
「話しただけで少し楽になりました」
「誰にも言えなかったことを話せてよかったです」

という言葉をいただくたびに、思うんです。


完璧である必要なんて、最初からなかったんだと。


今、私が意識していること


完璧主義を手放すのは、
正直まだ簡単なことではありません。

でも今は、
こんなふうに考えるようにしています。


*「完璧な会話」より
「その人が少しでも軽くなった会話」を目指す

*100点じゃなくても、
0点じゃないなら、それは前進

*「わからないこと」や「答えが出ないこと」を、
そのまま一緒に抱えることも、立派な傾聴のかたち


そう思えるようになってから、
自分を責める時間がぐっと減りました。


そして不思議なことに、
力の抜けた状態で聴く方が、
お客様との会話も自然になった気がしています。


おわりに


もし今、
あなたが何かに対して

「完璧じゃないなら意味がない」
と感じて動けずにいるなら…。


それはもしかしたら、
ニルヴァーナの誤謬かもしれません。


完璧な答えを持っている人なんて、
たぶんどこにもいません。

私も、答えなんて持っていません。


でも、
答えが出ないまま
一緒に立ち止まってくれる誰かがいるだけで、
少し楽になれることってあると思うんです。


もし
そんな時間が欲しくなったら、
いつでもお話ししましょう(^^♪


60点でも70点でも、
それは十分に意味のある時間のはずだから。

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