社内融資や社宅を使っている人ほど注意したい、退職時のお金の精算

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退職の準備というと、離職票や有給消化のことで頭がいっぱいになりがちです。ところが実際に手続きを進めてみると、それとは別に会社を通じて使っていた制度の精算が動き出し、慌てて確認することになる方が少なくありません。「まさか一括で返済を求められるとは思っていなかった」という声も聞かれます。社内融資・社宅・団体保険は、加入時には便利な福利厚生として案内される一方、退職時の扱いまで詳しく説明されないまま契約している方が多いのが実情です。

代表的なのが、社内の住宅ローンや自動車ローンの制度です。社外の金融機関より有利な条件で利用できる分、退職時の取り扱いはシビアなことがあります。残債があると、退職のタイミングで一括返済を求められることが多く、退職金で充当できる規定を持つ会社もありますが、勤続年数が短いと退職金自体が少なく、差額を自己資金で用意しなければならない場合もあります。

給与から天引きされていた団体保険も、退職と同時に給与天引きができなくなります。継続を希望する場合は、口座振替やカード払いなど、別の支払い方法への切り替え手続きが必要です。

社宅に住んでいる場合は退去期限も発生します。会社都合の退職では猶予されることもありますが、自己都合や定年では退職後1か月程度での退去が一般的とされ、原状回復費用がかかることもあります。通常の使用による傷みか、故意・過失による損傷かで費用負担が変わる考え方は、国土交通省のガイドラインでも整理されています。引っ越し費用を会社が負担するのか自己負担なのかも、退職を決める前に確認しておきたい点です。3月など引っ越しの繁忙期に重なると、費用はさらにかさみます。

退職を切り出す前に、少なくとも次の3点だけでも確認しておくと、当日になって慌てずに済みます。
・社内融資やローンの残債と、退職金での充当が可能かどうか
・団体保険を継続する場合の支払い方法と切り替え期限
・社宅の退去期限、原状回復費用の見込み、引っ越し費用の負担者
これらは会社ごとの就業規則や貸付規程、社宅規程によって扱いが異なるため、退職を決める前に人事・総務へ早めに確認しておくことが大切です。

退職金からの充当のように賃金の扱いに関わる論点は、労働基準法の賃金全額払いの原則とも関係するため、自己判断で進めず、会社の規定を書面で確認しましょう。
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