アメリカで子どもを現地校(キンダーから高校まで)に通わせるようになって、私の中で180度ガラリと概念が変わったものがあります。
それが、子どもたちの「お弁当(ランチ)」です。
アメリカの学校には基本的にどこでもカフェテリアがあり、温かいランチが出ます(小さい子は事前申請ですが、大きくなるとIDカードをピッとかざして好きなメニューを受け取るスタイル。日本の学食や社食のようなイメージです)。
そのため、学校でランチを買うのも、家から持参するのも完全に自由。
我が家は子どものリクエストに合わせて「今日はスクールランチ」「今日はお弁当」と使い分けているのですが、お弁当をリクエストされた日は、白米におかずを何品か詰めた、いわゆる「日本式のお弁当」を持たせます。
ただ、ここで最初につまずくのが、お弁当箱のサイズ感です。
アメリカで売られているランチボックスは、とにかくデカい!そして重い!
まるでプラスチック製の大きなトレーのようで、中にいくつか深いくぼみが分かれている構造になっています。
一瞬「子どもが欲しがるならこれにしようか」とも思ったのですが、深さも形も独特で、日本の繊細なおかずを詰めるにはあまりにも不向き。結局、日本から持ってきたお弁当箱を使っています。
では、現地の子どもたちはあの巨大なトレー型ランチボックス(あるいは紙袋)に何を入れているのかというと……
小さいニンジン(ベビーキャロット)やリンゴ、ブドウをそのままポンポン
チーズ、食パンやジャムサンドイッチ、クラッカー
……以上、ザッツイット(以上です)!
もちろんキャラ弁なんて概念は皆無。
日本で生まれ育った私の感覚から言わせてもらえば、
「……それ、お弁当じゃなくて『材料』ですよね?」と思わず心の中で突っ込んでしまいました。
だからこそ、我が子が日本式のお弁当を広げると、周りのクラスメイトたちが「うわあ!それ何!?」「すごーい!」と集まってくるそうです。
日本だったら
「ちょっと今日のお弁当、彩りが悪いかな」
「冷凍食品ばかりで手抜きに見えるかな」
「可愛くデコれてないな……」
と罪悪感を抱いてしまうような普通のお弁当なのに、アメリカではもはやアート扱い。「ふふふ、やったね(^▽^)」とちょっと誇らしい気持ちになっている自分がいます。
でも、知れば知るほど、私はこのアメリカ式のお弁当文化が大好きになりました。
何より、母親にかかるプレッシャーやストレスが、日本とは比べものにならないくらい少ないのです。
ブラウンの紙袋に、リンゴとパンをそのままポンと入れて持ってくる子もいれば、小袋のポテトチップスとヨーグルトだけを食べている子もいる。
それでも先生は「もっと栄養バランスを考えなさい」なんて絶対に言いません。
「家から食べ物を持ってきた。食べてる。ならOK!」という潔さ。家庭それぞれのスタイルが尊重されているのです。
「今日の彩りはどうかな……」なんて悩む必要は一切なし!
「まあ、栄養なんて夜ごはんでしっかり摂ればいっか!」という、なんとも大雑把で心地よい考え方に、私の思考もすっかりシフトしていきました。
みんなでカフェテリアの列に並び、一緒に座り、たまにおしゃべりをしてその時間を過ごす。笑顔で楽しく食べられれば、それで十分。
日本の丁寧なお弁当文化の良さも感じつつ、アメリカのがんばりすぎなくていい大らかさに救われ、今日も肩の力を抜いて子どもを学校へ送り出しています。