一本の線が、見えた瞬間
お客様である板金塗装会社の社長さんと、言語化ワークショップをやらせてもらいました。
今回は「採用のためのホームページを作りたい」というツールが決まっていて、その前に一度整理しませんか、という提案に乗っていただいてのスタートでした。
でも、話していくうちに、いちばん心に残ったのは採用の話ではありませんでした。
社長さんの人生が、一本の線になって、今の仕事の核心につながっていた。その瞬間に立ち会えたことです。
今日は、その話をします。
子どもの頃、ラジコンを改造して喜ばれた
「社長さんは、そもそもなぜこの仕事を選びましたか?また、一番最初に『この仕事いいな』と思った瞬間を教えてください」
そう聞いてみると、社長さんは少し考えて、こう言いました。
「ものづくりとして嬉しかったことなら、思い出せますよ」
小学生の頃、友達の間でラジコンカーが流行っていたそうです。
社長さんは、友達のラジコンを改造してあげた。
自分が手を加えると走りが良くなって、友達が喜んでくれた。
それが、すごく嬉しかった。
自分の技術で、誰かが喜んでくれる。
これが、いちばん最初の原体験だったんだと思います。
本人も、話しながら「ああ、あれが始まりだったかもしれないな」という顔をされていました。
車が好きで、でも野球も好きで
そこから先は、車が好きな少年の話です。
ちょうど学生時代はF1が盛り上がっていた世代。
ドライバーや車が、とにかく好きだった。
一方で、野球にも本気で打ち込んでいて、選手を目指したいくらいだった。
車の仕事をするか、野球選手を目指すか。
どちらも諦めたくなくて、両立できる道を考えて、進路も選んでいった。
自分の意志で、車に近い場所へ。
社長さんは2代目で、先代はお父様です。
こう書くと「親が会社をしていたから継いだ」という話に聞こえるかもしれません。
でも、ご本人の口から出てきたのは「自分の意思で継いだ」という言葉でした。家業だから、なんとなく継いだ。そういう話ではなかったのです。
好きなものに、自分の足で近づいていった結果が、今だった。
そして、板金塗装の仕事へ
点を並べていくと、線が見えてきます。
ラジコンを改造して人に喜ばれた子どもが、車を好きなまま大きくなって、自分で選んで車に近い道を歩いて、今、板金塗装の会社をやっている。
そして、ワークショップの中で社長さんが何度も口にした言葉がありました。
「こんなに綺麗になるんだ!と喜ばれましてね」
事故やキズで傷んだ車が、自分たちの手で見違えるように綺麗になる。
それをお客さんが見て、驚いて、喜んでくれる。
そこにいちばんの価値がある、と。
そのために常に新しい技術を取り入れ、設備を入れてきた。
気づけば、お客さんから「車を綺麗にしてくれるパートナー」として
なくてはならない存在になっていた。
ここで、線がつながりました。
子どもの頃、ラジコンを改造して友達が喜んでくれた、あの嬉しさ。
今、車を綺麗にしてお客さんが喜んでくれる、この喜び。
同じです。
「自分の技術で、誰かが喜んでくれる」
その一点が、子どもの頃から今まで、ずっと一本の線でつながっていた。
私が「これ、ここにつながるんですね」と言うと、
社長さんも「ああ、本当だね」という表情をされていました。
図にすると、わかりやすい
今回はいくつものカテゴリーが出てきたので、それぞれの流れを簡単な図にしてお見せしました。
実際には黒板で言葉を書いてつないでいきます
ラジコン → 車好き → 進学 →就職→ 板金塗装 → 「こんなに綺麗になるんだ」。
バラバラだった人生の点が、一本の線になって、今の仕事の喜びに行き着く。それを一枚の図にしたら、社長さんがこう言ってくれました。
「普段頭にあることだけど、整理して図にしてもらうと、わかりやすいですね」
私は、この言葉がとても嬉しかった。
これこそが、私のやりたい仕事だからです。
本人の中にバラバラにある想いや経験を、一本の線にして、ご本人に手渡す。 言葉にできていなかったものを、見える形にして返す。
採りたい人物像や、ホームページの構成といった実務的な話も、もちろん進めました。
でも、いちばんの収穫は、社長さん自身が「自分はこういう人間で、こういう想いでこの仕事をしているんだ」と、改めて見えたことだったように思います。
技術で、人を喜ばせたい。
子どもの頃のラジコンから、今の板金塗装まで。一本の線で、ずっとつながっていた。
その線を一緒に見つけられたことが、今回のいちばんの仕事でした。
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「言語化ワークショップ」やっています。
「自分の商品・サービスの言葉がまだ見つかっていない」
「やりたいことはあるけど、うまく言葉にできない」
そう感じている方へ、問いで一緒に掘り起こします。
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