請求CSVに「100,000円」、入金CSVにも「100,000円」が1件ずつあっても、それだけで同じ取引とは確定できません。
同額の請求が複数ある。振込名義が会社名ではなく代表者名になっている。請求日と入金日が離れている。こうした行が混ざると、Excelで金額だけを照合する方法はすぐに止まります。
結論から言えば、入金消込を効率化するときに大切なのは、全行を無理に自動確定することではありません。
明確に一致する行と、人が確認すべき行を分け、「なぜ要確認なのか」を残せる仕組みにすることです。
請求CSVと入金CSVが合わない5つの原因
1. 請求先名と振込名義が違う
請求先は「株式会社サンプル」でも、振込名義は「サンプル」「カ)サンプル」「代表者名」になっていることがあります。
空白、全角・半角、法人格の表記だけなら正規化できます。しかし、独自の略称や親会社からの一括振込まで自動で同一扱いすると、別取引を誤って結び付ける危険があります。
2. 同じ金額の請求が複数ある
月額料金や定額契約では、同じ請求額が並ぶことがあります。
金額だけでは一意に決まらないため、請求番号、取引先コード、振込名義、日付などを組み合わせて候補を絞る必要があります。
3. 手数料差引・一部入金・過入金がある
請求額と入金額が完全一致しないケースです。
差額がある行を単純に「未入金」とすると、一部入金や振込手数料の差引を見落とします。反対に、一定額の差をすべて許容すると、本当の金額違いまで一致扱いになります。
差額と判定理由を残し、人が確認できる状態にする方が安全です。
4. 複数請求の合算・1請求の分割入金がある
3件の請求を1回で振り込む合算入金や、1件を2回に分けて支払う分割入金では、1行対1行の照合が成立しません。
請求番号などの共通キーがある単純なケースと、任意の組み合わせを探すケースでは難易度が大きく異なります。最初に実例を確認し、基本ルールと例外処理を分ける必要があります。
5. 重複・欠損・入力形式の違いがある
同じ入金行の重複、請求番号の欠損、日付形式の混在、金額列への文字入力なども照合を止める原因です。
一致・不一致だけでなく、「入力エラー」「重複候補」「曖昧一致」を別区分にすると、元CSVの修正箇所まで追いやすくなります。
最初にそろえたい項目
請求CSVでは、次の項目が照合材料になります。
・請求番号
・取引先コードまたは取引先名
・請求額
・請求日、支払期限
入金CSVでは、次の項目を確認します。
・入金日
・振込依頼人名
・入金額
・照会番号などの識別項目
すべての列が必須とは限りません。重要なのは、現在どの項目を見て判断しているかを言語化することです。
照合結果に残すべきもの
実務で使いやすいのは、次のように確認優先度が分かれる出力です。
・照合済み
・入金未確認候補
・一部入金・過入金
・金額差
・重複候補
・曖昧一致
・入力エラー
さらに、判定理由と元データの行番号を残します。
「不一致が20件ある」だけでは、結局すべてを見直すことになります。「振込名義は近いが同額請求が2件ある」「請求額より330円少ない」のように理由が分かれば、確認する順番を決められます。
毎月使うなら、CSVを差し替えられる形にする
列名と構成、照合ルールが同じなら、翌月以降は請求CSVと入金CSVを差し替えて再実行できます。
最初に匿名化した5〜20行のサンプルで条件を確認し、合成データで動作を確かめてから本番へ進めると、認識違いを減らせます。
私は、請求CSVと入金CSVを選ぶと、入金未確認・金額差・重複・曖昧一致などを理由付きで一覧化する専用ツールを作成しています。
基本範囲は、請求CSV1形式+入金CSV1形式、合計5,000行まで。WindowsのEdgeまたはChromeで動き、Excelの追加設定や外部通信は不要です。
照合結果は、入力データと事前に決めたルールに基づく確認候補です。会計・税務判断、監査、仕訳、送金、銀行や会計サービスへのログインは行いません。
毎月の全件確認を「要確認だけを見る作業」へ変えたい場合は、サービス内容をご確認ください。