ChatGPT や Claude、Microsoft Copilot などの生成AIを業務で使う場面が増えています。
文章作成、議事録要約、メール文面の作成、提案書の構成案づくりなど、便利に使える場面は多いです。
一方で、業務利用で最初に迷いやすいのが、
「何をAIに入力してよいのか」
という判断です。
たとえば、以下のような情報です。
・顧客名
・案件名
・議事録
・契約書
・見積金額
・社内資料
・ソースコード
・APIキーやパスワード
・社員や顧客の個人情報
生成AIを業務で使うこと自体を、過度に怖がる必要はありません。
ただし、社内ルールがないまま利用が広がると、社員ごとに判断がバラバラになりやすいです。
ある人は顧客名を伏せる。
別の人は議事録をそのまま貼る。
さらに別の人はソースコードや社内資料を入力する。
この状態になると、あとから使い方を揃えるのが意外と大変です。
そのため、最初から分厚い規程を作るよりも、まずは「入力OK/NG」の考え方を簡単に決めておく方が現実的です。
まずは3分類で考える
最初は、細かく決めすぎる必要はありません。
まずは、以下の3つに分けると整理しやすくなります。
OK:機密情報・個人情報・社外秘情報を含まないもの
例:一般的な文章の言い換え、公開済み情報の要約、一般論のアイデア出し
要注意:内容によって判断が変わるもの
例:議事録、提案書、見積書、顧客向けメール、ソースコードの一部
NG:初期ルールでは入力しない方がよいもの
例:APIキー、パスワード、アクセストークン、個人情報、契約書本文、未公開の顧客資料
ポイントは、「全部OK」か「全部NG」かで考えないことです。
実務では、完全にNGとも言い切れない情報が多くあります。
たとえば議事録でも、
・顧客名、個人名、金額、契約条件が入った議事録
・社内の一般的な打ち合わせメモ
・固有名詞を消した論点メモ
では、扱い方が変わります。
このような中間領域を「要注意」として整理しておくと、現場が判断しやすくなります。
初期ルールでNGにしたい情報
初期ルールでは、以下のような情報は入力しない前提にしておく方が無難です。
・APIキー
・パスワード
・アクセストークン
・顧客の個人情報
・社員の人事、給与、評価情報
・契約書本文
・顧客から受領した未公開資料
・秘密保持契約の対象となる情報
・社外秘の設計書や内部資料そのもの
特に、APIキー、パスワード、アクセストークン類は、入力禁止として扱うのがよいです。
また、契約書本文や顧客の個人情報などは、法務・契約・個人情報管理が関係しやすいため、現場判断でそのまま入力するのは避けた方がよいです。
マスキングすれば何でもOKではない
顧客名や個人名を仮名に置き換えることを、ここではマスキングと呼びます。
例:
・株式会社ABC → 顧客A
・山田太郎 → 担当者A
・新規ECサイト刷新案件 → プロジェクトA
・1,234,567円 → 約120万円
・2026年5月12日 → 2026年5月頃
ただし、マスキングは万能ではありません。
「マスキングすれば何でも入力してよい」と考えるのではなく、入力前に削る情報、確認先、禁止情報を決めておくことが重要です。
最初に作るべきもの
生成AIの社内利用ルールを作るとき、最初から大きな規程を作る必要はありません。
まずは、以下の3つを決めるだけでも十分に前進します。
1. 入力OK/NG表
2. マスキング手順
3. 判断に迷ったときの相談先
この3つがあるだけで、現場はかなり判断しやすくなります。
さらに余力があれば、利用してよいAIツール、従業員向けチェックリスト、社内周知文、見直し担当者などを決めていくとよいです。
まとめ
生成AIは、業務効率化に役立つ便利なツールです。
ただし、社内ルールがないまま利用が広がると、社員ごとに判断がバラつきます。
最初から完璧な規程を作る必要はありません。
まずは、
・何を入力してよいか
・何を入力してはいけないか
・入力前にどうマスキングするか
・迷ったとき誰に確認するか
を整理するだけでも十分です。
生成AIを止めるためのルールではなく、業務で使い続けるための判断基準として整える。
この考え方で始めると、現場にも上長にも説明しやすくなります。
入力OK/NG表を作る時間がない場合
入力OK/NG表そのものは、考え方が分かれば作れます。
ただ実際には、
・自社の業務に合わせる
・議事録、提案書、ソースコードなどをどう扱うか分ける
・従業員に説明しやすい表現にする
・上長や関係部署に確認しやすい形にする
ところで手間がかかります。
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