金融庁 出身 伊藤公祐 と申します。
金融業界の仕事をしていると
「売上は順調です」という言葉を耳にする機会が多くあります。
もちろん売上は重要ですし、企業の成長を測るうえで欠かせない指標です。
ただ長く金融の現場を見てきた立場からすると、“本当に見るべき数字”は
別にあると感じています。
それは、「手元資金」と「継続性」に関わる数字です。
たとえば売上が伸びていても、入金タイミングと支払いタイミングが
噛み合わなければ、資金繰りは一気に苦しくなります。
特にスタートアップや中小企業では、数字上は成長しているのに
キャッシュが足りないという状況は珍しくありません。
金融庁時代、さまざまな企業や金融機関を見てきましたが
安定している組織ほど“派手な数字”よりも
“地味だけど重要な数字”を丁寧に見ていました。
たとえば毎月の固定費、回収サイト、解約率、既存顧客の継続率などです。
現在、営業支援やコンサルティングの現場でも
私はまず「その売上は持続可能か」を考えるようにしています。
一時的なキャンペーンで伸びた数字なのか
継続的な信頼の積み重ねなのかで、企業の未来は大きく変わるからです。
また数字を見る際には“背景”も非常に重要です。
同じ売上でも、無理な値引きで作った数字なのか
適正な価値提供の結果なのかで意味はまったく違います。
数字だけを追いかけると、本来守るべき信用やブランドを
削ってしまうこともあります。
私は売上を否定したいわけではありません。
むしろ大切だからこそ、「その数字が何によって支えられているのか」を
見る視点が必要だと思っています。
企業経営も営業も、短距離走ではなく長距離走です。
だからこそ目先の結果だけでなく、数年先まで持続できる土台があるか。
その視点を持つことが、最終的には大きな差になると感じています。