展示会に行く前は、たいてい少し欲張ります。
せっかく行くのだから、できるだけ多く見たい。
気になる会社は押さえたいし、関連分野も見ておきたい。
普段はあまり接点のない領域でも、会場にあるなら一応見ておきたい。
そう考えるのは、かなり自然なことだと思います。
実際、展示会にはその価値があります。
まとまって見られる。
比較できる。
思っていなかった発見もある。
だから、候補はどうしても増えていきます。
ただ、ここで候補を増やしすぎると、当日も帰った後も少し苦しくなります。
行く前の時点では、
「あれも見たい、これも気になる」
で済んでいます。
でも会場に入ると、それが一気に現実になります。
目立つブースがある。
説明がうまい人がいる。
パネルに書かれたキーワードが気になる。
思わず立ち止まる。
話を聞くと、その場では「なるほど」と思う。
別のブースでは、また違う切り口の話が出てきて、それも気になる。
その瞬間は、ちゃんと見て回れている感じがあります。
むしろ満足感すらあります。
「今日はかなり情報を取れたな」と思うこともあります。
でも、帰り道になると少し変わってきます。
どこで何を聞いたのか、少しずつ混ざり始める。
メモはある。でも多い。
気になった会社はいくつもあるのに、
何がどう違ったのか、言葉にしにくい。
「いろいろ見た」はあるけれど、
「で、何を持ち帰ったのか」がまだはっきりしない。
これは、情報が足りないからではないと思います。
むしろ逆で、広げすぎて、持ち帰る形が崩れていることが多いです。
展示会は、見ようと思えばいくらでも見られます。
関連分野まで含めれば、対象はどんどん広がる。
だからこそ、少し絞らないと、すぐに“見学”になります。
見学が悪いわけではありません。
でも、こちらに何かしら目的があるなら、それだけでは少し弱い。
最近は、展示会に行く前に、最低限これだけは置いておいた方がいいと感じています。
まず、今回の主テーマを一つ決めること。
何を中心に見るのか。
全部少しずつではなく、まず一本芯を置く。
次に、優先先を分けること。
絶対に見る先。
余裕があれば見る先。
今回は見送る先。
これを決めるだけで、会場での迷いはかなり減ります。
もう一つは、比較観点を決めることです。
実績なのか、差別化なのか、用途との近さなのか、導入しやすさなのか。
軸がないと、各社の説明を聞いても、後で横に並びません。
展示会のよさは、偶然の発見があることでもあります。
だから、全部をガチガチに決めすぎる必要はないと思います。
でも、自由に見るためにも、最初の芯は要る。
それがないと、見たものの多さに自分が飲まれてしまうことがあります。
展示会は、本来おもしろい場です。
新しいものを見る楽しさもあるし、思わぬヒントに出会えることもある。
だからこそ、帰り道に
「いろいろ見たけど、結局どう言えばいいんだろう」
となるのは、少しもったいない。
広く見る前に、まず少し絞る。
その方が、結果的には多くを持ち帰れる。
展示会では、そんなことがよくある気がしています。