展示会の帰りくらい、ほんとは報告のことなんて考えたくないんです。
会場ではずっと歩いて、立って、話を聞いて、メモを取って。
気になるブースを回っているうちに、思った以上に頭も使っています。
終わったころには足も重いし、持ち帰るカタログも増えている。
できれば帰り道くらい、少し気を抜きたい。コーヒーでも飲んで、ぼーっとしたい。
でも実際は、そうなりません。
展示会に行った以上、たいていその先があります。
「何が気になった?」
「どこがよかった?」
「うちに関係ありそうなのは?」
「次に話を聞くならどこ?」
こういう話は、だいたい帰社後か翌週には出てきます。
しんどいのは、展示会そのものより、むしろこの前後だったりします。
行く前は、候補が多くて絞れない。
材料も見たい、部品も気になる、装置も少し見たい、検査や自動化も無視できない。
出展社一覧を見ているだけで、だんだん焦点がぼやけてきます。
当日は当日で、その場で気になったブースに入る。
説明を聞くと「なるほど」と思う。
別のブースではまた別の話が出てきて、それも気になる。
その瞬間は、ちゃんと情報を取れている感じがします。
でも帰り道になると、少し怪しくなる。
A社で聞いたこととB社で聞いたことが混ざり始める。
メモはあるのに、何が差だったのかうまく言えない。
「いろいろ見た」はあるけれど、
「で、結局どうだったのか」がまだ形になっていない。
これ、情報が足りないわけではないんです。
むしろ、情報はたくさんある。
しんどいのは、持ち帰る形ができていないことなんだと思います。
展示会って、本来はおもしろい場です。
普段は見えないものが見えたり、思わぬヒントがあったり、現場でしかわからない空気がある。
だからこそ、その楽しさが、準備と報告の重さで削られてしまうのは少しもったいない。
最近は、展示会に行く前に、全部は無理でも次の3つだけは置くようにした方がいいと感じています。
ひとつは、どこを優先するか。
全部を見ようとしない。
今回は何を取りに行くのかを、できるだけ先に決める。
ふたつめは、最初に何を聞くか。
用途なのか、実績なのか、強みなのか、導入しやすさなのか。
入り口を決めておくだけで、会話が流されにくくなります。
みっつめは、帰ってから何を言うか。
どこが有力だったのか。
何が気になったのか。
次に何をするのか。
これを先に少しだけ意識しておくと、メモの取り方も変わります。
展示会の帰り道では、できれば報告のことなんて考えたくない。
でも、まったく考えなくて済むようにするには、行く前の整理がいちばん効きます。
展示会そのものに集中するためにも、
準備と持ち帰り方は、思っている以上に大事なんだと思います。
展示会で
「行く前に絞りきれない」
「帰ってから整理がしんどい」
と感じる方には、事前整理というやり方はかなり相性がいいはずです。