「都立の英語」アドバンスVol.17~過去問辞書はこんなにすごい(4)
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前回までのブログでは、実際の語彙が実感できるように動詞に限定して過去問辞書の有効性を紹介しました。今回から、これを全品詞に拡大した辞書ベースで解説します
方法は動詞限定版と同じです。全品詞をベースとして、2025年問題から作成した辞書を「過去1年辞書」、2025-2024年問題からのそれを「過去2年辞書」と名付け、過去1~11年分を用意。それらの辞書で、2026年問題を読んだ場合のカバー率とヒット率を調べたのが下表です
結果は、動詞限定版とほとんど変わりません。1年から5年までは、カバー率、ヒット率ともほぼ年数に比例して上昇。それ以降は、年を遡るごとに緩やかに上昇し、過去10年辞書でカバー率95.5%、ヒット率88.9%に達し、頭打ちとなりました
カバー率 = 既知語の出現回数 / 延べ単語数
ヒット率 = 調べが付いた単語数 / 全体の単語
このカバー率ですが、言語学の世界では以下の様に解説されます
90%未満 読解負荷が急激に高まる
95% 大意把握が可能となる水準
98% 精緻な読解が安定する水準
(Laufer (1989), Nation (2006)より)
以前の動詞限定版のブログで、「10年分で精読レベルに近づく傾向」と書いていたのに、95.5%では不十分ではないかとのお叱りを受けそうです
そもそも、なぜ10年辞書でも4%の未カバーが発生するのか、それでも10年辞書で精緻な読解が可能となるカラクリは、次回のブログで紹介します
*本ブログで掲載した数値は、筆者の独自の集計に基づくものであり、その正確性を保証するものではありません