シャドーイングは本当に必要か?

シャドーイングは本当に必要か?

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近年、英語学習法としてシャドーイングが広く知られるようになりました。
私の感覚としては、YoutubeやSNSの影響もあり、特にここ10年で一気に一般化した印象があります。

背景には、根強いTOEIC人気や、大学受験での英検利用者の増加があるのでしよう。また、スマートフォンやさまざまな音声教材の普及で、誰でも気軽に始められることも追い風となりました。

その結果、本来は通訳訓練として使われていた手法が、一般学習者向けの英語学習法として広く紹介されるようになっています。

そもそもシャドーイングとは、聞こえてくる英語音声を少し遅れて追いかけながら口に出す訓練です。聞く力と話す力を同時に鍛えることを目的としており、もともとは同時通訳者などの高度な英語運用能力を養うために使われていました。

ところが、シャドーイングというと、「聞こえた音をそのまま真似する練習」と考えている人が少なくありません。しかし、その理解は少し表面的です。

シャドーイングの本質は、話者が次に何を言うのかを予測しながら音声を追いかけることにあります。

英語を聞きながら意味を理解し、文脈や文法知識を使って次の展開を予測する。その予測と実際の音声を照合しながら発話するのが、本来のシャドーイングです。

例えば、
The government should invest more money in education because...

と聞こえたとき、ある程度の実力がある学習者なら、

・students
・future
・opportunities
・society

といった語彙や内容であることが、自然に予測できます。

つまり、音声を漫然と聞いているのではなく、「次はこう来るのではないか」と先回りしながら聞いています。そして実際に聞こえてきた内容と自分の予測を照合しながら、さらに次を予測していきます。

一方、語彙や文法、英文の背景知識が不足している場合はどうでしょうか。予測するための材料がないため、聞こえた音を必死に追いかけるだけになってしまいます。これでは単なる「音まね」に近くなってしまいます。

もちろん、シャドーイングには大きなメリットがあります。

英語特有のリズムやイントネーションに慣れることができますし、音の連結や脱落といった音声変化にも気づきやすくなります。また、英語を英語の語順のまま処理する力を鍛える効果も期待できます。

一方で、万能の学習法ではありません。

意味を理解しないまま続けると、単なる「英語のカラオケ」になってしまいます。毎日一生懸命取り組んでいても、語彙力や文法力そのものが大きく向上するわけではありません。

特に英検2級レベル前後の学習者の中には、まだ語彙や構文理解に課題を抱えている人も少なくありません。その段階でシャドーイングばかりに時間を使うよりも、まずは読む力や理解する力を鍛えた方が効果的な場合もあります。

私は、多くの英語学習者にとって、シャドーイングよりもまず語彙や文法の習得、そして音読を優先すべきだと考えています。

語彙や文の構造をしっかり理解したうえで、何度も音読する。その過程で語彙、文法、構文理解が定着し、英語を前から理解する力が養われます。

そして、その土台ができた段階でシャドーイングを取り入れます。

シャドーイングは英語力を作るための魔法の学習法ではありません。むしろ、すでに身につけた英語力をより速く、より正確に処理するための応用トレーニングだと考えた方が実態に近いでしょう。

英語学習に近道はありません。

語彙や文法や背景知識の把握といった基礎を固めた上でシャドーイングを活用する。その順序こそが、最も効果的な学習法ではないでしょうか。シャドーイングは万能薬ではありませんが、適切な時期に使えば非常に強力な武器になるのです。

語彙や文法の習得については、また今後ブログでご紹介していく予定です。

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シャドーイングのような学習法も、語彙・文法・構文理解という土台があってこそ効果を発揮します。

実は、こうした基礎力はリスニングだけでなく、英作文にもそのまま直結します。書けない原因の多くは、アイデア不足ではなく、語彙・構文・論理構成の弱さにあります。

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