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コラム
一部例外を除き
詩は自由だ。

起承転結の必要も
文字の制限もない。

ただ唯一のルール。

それは真実でなければ
ならないことだ。
作者にとって。

人前で裸になり
また更に腹を割るのだ。
ありとあらゆる汚れ
ありとあらゆる臭い
すべてを赤の他人に
さらけ出すのだ。

そのことが怖くて
そのことに対する覚悟が無くて
30年前に
詩を書くのをやめた。

きっかけとなった
出来事があった。

会社に入って間もない頃
和子さん(仮名)という女性がいた。

とても面倒見がよい方で
会社の色んなことを教えてくれた。

息子さんがいて、私と同い年ということもあり、下の名前で私を呼び、

「息子だからな!」
と言い、親しくしていただいた。

東北訛りのせいもあるだろうが、男性より威勢の良い話し方が特徴的な方だ。
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和子さんのご子息には
重い障害があった。

介助がなければ、ベッドから動くことはできない。

そんな彼は、渡辺美里のファンだ。
ライフワークは詩を書くこと。

自作の詩の発表会をしていて、
和子さんに招かれて、彼の詩集をいただいた。

私も詩を書くことを彼に話すと、詩の感想を聞かせて欲しいと頼まれた。

相棒の文豪ミニ(ワープロ…と言ってもわからないか…)を前に、彼の詩集を開いた。

どの詩も、渡辺美里だった。

何度読んでも、渡辺美里が歌いそうな歌詞に思えた。

彼はベッドの上か
車椅子、そして渡辺美里
その中に生きている。

自由を求める想いを
渡辺美里風の詩で
慰めているようだった。

その時の私は
そう感じた。

文豪ミニのキーボードを叩いては
削除…を繰り返した。

世辞をいうことは苦手ではないが
私の感想を
素直に書くことにした。
••──𖧷──𖧷──𖧷──••
君の詩は
とても綺麗な言葉で綴られている。
しかし、
どうしても
渡辺美里の世界に思える。
私は、
君自身の世界を知りたい。
本当の言葉を聞きたい。
たとえ激しい言葉であっても。
••──𖧷──𖧷──𖧷──••
実際には、
もっと柔らかい表現だったが、
そんな内容の感想を手紙にした。

そして思った。

私は
私は、どうなのか。

彼と
何が違うのか。
と。

そして、その日から
詩を書くことをやめた。

その後、和子さんが退職され
私も転勤したので
その後の彼が
どんな詩を書いたのかは
わからないままだ。

そして月日が流れ
今になって
詩を
書きたくなった。

ブログを毎日書くようになって
言葉、文字の森で
狩りをして
輝きを放つ文章を捕まえる。

そんな感覚を
思い出したのかも知れない。

もちろん、ただの
自己満足であり、
楽しいからだ。

そして、あの頃と違うのは
私なりに多くあるが

歳を重ね
多くの経験をしたこと

“生かされている”
そのことに気づいたこと

人生の終わりが見えてきたこと

これらが大きな変化だ。

ただ…
裸になって
すべてをさらけ出しているか?

その答えは
まだ少し先のようだが。

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