「わかりました」を、わたしは信じすぎていた。

「わかりました」を、わたしは信じすぎていた。

記事
ビジネス・マーケティング
仕事をお願いしたあと、部下へ確認する。

「ここまで、分かりましたか?」

「はい、分かりました」

その返事を聞くと、以前のわたしは安心していました。

伝えるべきことは伝えた。
本人も理解している。

あとは、任せておけば大丈夫だと思っていたのです。

ところが、数日後に確認すると、考えていたところまで仕事が進んでいない。

わたしは、

「この前、分かったと言っていましたよね」

と伝えていました。

少し強い言い方になったこともあります。

部下は何も言わず、もう一度「分かりました」と答える。

その返事を聞いて、今度こそ伝わったと思っていました。

けれど、同じことが何度か続きました。

その頃のわたしは、相手の理解が足りないのだと考えていました。

それでも、あるとき気づきました。

わたしが確認していたのは、理解したかどうかではありません。

「分かりました」と返事ができるかどうかだったのです。

「分かりました」には、いくつもの意味がある

説明している上司を前にして、

「分かりません」

と言える人ばかりではありません。

何となく理解できた。
これ以上聞いたら迷惑かもしれない。
一度、自分でやってみよう。
早く話を終わらせたい。

それでも返事は、同じ「分かりました」になります。

上司と部下では、言葉の受け取り方も違います。

わたしは作業の目的や完成した状態まで含めて説明したつもりでも、部下は目の前の手順だけを受け取っていることがあります。

どちらかが不真面目なわけではありません。

同じ言葉を聞きながら、頭の中には違う完成図ができていただけでした。

確認の仕方を変えてみた

それからは、

「分かりましたか?」

という聞き方を減らしました。

代わりに、

「最初に何から始めますか?」

「どの状態になったら完了ですか?」

「途中で迷いそうなところはありますか?」

と尋ねるようにしました。

本人の言葉で話してもらうと、わたしの説明が足りなかった部分も見えてきます。

順番が違って伝わっていたり、必要な情報をわたしが省いていたりすることもありました。

そんなときは、部下の理解を責めるのではなく、

「そこは、わたしの説明が足りませんでした」

と伝えます。

以前のわたしは、上司が説明不足を認めると、頼りなく見えるような気がしていました。

けれど、曖昧なまま仕事を進めてもらうより、途中で一緒に確認できたほうが、やり直しは少なくなります。

部下からも、

「ここだけ、もう一度確認してもいいですか」

と言葉が出るようになりました。

返事より、その先を一緒に見る

「分かりました」と答えたから、理解している。

そう決めつけていた頃のわたしは、仕事がうまく進まない理由を、相手の中ばかりに探していました。

けれど、伝えたことと、伝わったことは同じではありません。

一度の説明で伝わらないこともあります。

聞く側だけでなく、伝える側にも見えていない部分があります。

次に「分かりました」と返ってきたら、もう一度説明する必要はありません。

「では、最初に何から始めますか?」

そう尋ねてみる。

相手を試すためではなく、お互いの頭の中にある完成図を並べるために。

「分かりました」という返事を信じないのではありません。

その言葉だけで、分かったつもりにならない。

それが、部下へ仕事を任せるときに、わたしが大切にするようになったことです。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す