BtoB営業、とくに商社のような深耕型営業では、「断る場面」こそが信頼関係の分かれ道になります。
値下げ要請、無理な納期短縮、対応範囲を超えた依頼――。
すべてを受けていては現場が回らず、かといって断り方を間違えると、これまで築いてきた関係が一気に冷え込むこともあります。
私は総合商社で10年以上、既存顧客を中心としたBtoB営業に携わってきました。その中で痛感しているのは、「断る=関係を壊す」ではないということです。
むしろ、断り方次第で信頼は深まるとさえ感じています。
三木雅晴が意識している「断る前」の大前提
信頼関係を壊さない断り方には、前提条件があります。
それは、普段から相手の立場を理解しようとしているかです。
深耕型営業では、日常のやり取りの中で「なぜその要望が出てきたのか」「相手は社内でどんな立場にいるのか」を把握しておくことが重要です。
背景を理解していれば、単なる拒否ではなく「一緒に落とし所を探す姿勢」を示すことができます。
「できません」ではなく「ここまではできます」と伝える
断る際に私が最も気をつけているのは、全否定をしないことです。
例えば無理な納期短縮の依頼が来た場合でも、
「その納期は難しいです」
で終わらせてしまうのではなく、
「その納期は難しいですが、○日までであれば品質を落とさず対応できます」
と、“代替案”を必ず添えます。
相手にとっては「突き放された」のではなく、「こちらの事情を踏まえて最大限考えてくれた」という印象が残ります。
三木雅晴が実践する「社内事情の見える化」
商社営業では、断りたい理由の多くが社内調整や仕入れ先事情にあります。
その際、「社内ルールなので」「メーカーが難しくて」と曖昧に伝えると、言い訳に聞こえがちです。
私は、可能な範囲で以下を噛み砕いて説明するようにしています。
①どこがボトルネックになっているのか
②無理をすると何が起きるのか
相手が納得できる情報を開示することで、「断られた」ではなく「理解した」に変わります。
信頼関係は「イエス」より「ノー」で試される
長く取引をしていると、どうしても「無理を聞いてくれる人」が評価されがちです。
しかし、無理を重ねた結果、品質低下やトラブルが起きてしまえば、最終的に信頼を失うのは営業側です。
だからこそ私は、将来の信頼を守るために断るという選択を大切にしています。
誠実に、論理的に、代替案を持って断る。
それができる営業こそ、長く選ばれる存在になると感じています。