## 第一章:「面白いホームページにしろ」
昔、ホームページ集客の講座に参加したことがあります。
その時、講師から言われた言葉が今でも忘れられません。
「面白いホームページにしなさい」
私はすぐに質問しました。
「具体的にはどういうホームページですか?」
すると返ってきた答えは、
「全体的な雰囲気だよ」
でした。
正直、
「は?」
と思いました。
いや、本当に。
お金を払って講座に参加しているんです。
だから私は具体的な方法を聞きたかった。
なのに返ってきたのは「雰囲気」。
当時は正直、
「ちゃんと教えてくれよ」
と思いました。
少し腹も立ちました。
結局、その日はモヤモヤしたまま帰ったのを覚えています。
でも不思議なことに、その言葉だけは頭の片隅に残り続けていたのです。
## 第二章:答えが分からないまま走り続けた
当時の私は工務店のホームページ制作に携わっていました。
だから余計に困りました。
住宅会社のホームページで何をどう面白くするのか。
まったく分からなかったのです。
社長挨拶をストーリー調にしてみたり。
言い回しを工夫してみたり。
キャッチコピーを面白くしてみたり。
今振り返ると、かなり手先のテクニックに走っていたと思います。
でも当時は必死でした。
なぜなら答えを知りたかったからです。
ただ、何をやっても確信が持てませんでした。
「これでいいのかな」
「本当に面白くなっているのかな」
そんな状態のまま試行錯誤を繰り返していました。
今思えば完全に迷子です。
誰も答えを教えてくれない。
だから自分で探すしかありませんでした。
## 第三章:心に残ったホームページの共通点
私が何度も読み返していたサイトがあります。
今思えば、そのサイトにはある共通点がありました。
それは、ずっと語りかけてくることです。
「大丈夫ですよ」
「今できなくても大丈夫です」
「あなたが悪いんじゃないんです」
「やり方が合っていないだけなんです」
そんな言葉が自然に入ってくるのです。
今なら分かります。
これはライティングのテクニックでもあります。
でも当時の私は、そんなことを知りませんでした。
ただ純粋に励まされたんです。
正直、救われたと言ってもいいかもしれません。
当時は思うように成果が出ず、
何が悪いのかも分からず、
自分を責めてしまうこともありました。
だから、
「あなたが悪いんじゃない」
という言葉がものすごく刺さったんです。
知識を学びに来たはずなのに、
なぜか元気になって帰る。
ノウハウを読んでいるはずなのに、
なぜか前向きになれる。
今振り返ると、そのサイトは情報を伝えていたのではなく、人を支えていたのかもしれません。
そして私は知らないうちに、
そんな文章に憧れるようになっていました。
## 第四章:忘れられない一言
ある日、読者の方から言われたことがあります。
「メルマガを印刷してファイルに綴じています」
さらに、
「家族にも読んでもらっています」
とも言われました。
その瞬間、
本当に驚きました。
まさか自分の文章がそんなふうに読まれているなんて想像もしていなかったからです。
でも驚き以上に感じたのは、
安心感でした。
ほっとしたんです。
「ああ、ちゃんと届いていたんだ」
と。
家づくりで何に困るのか。
何が不安なのか。
何が怖いのか。
それを必死に考えながら書いてきました。
その積み重ねが少しでも伝わっていたのなら嬉しい。
そんな気持ちになりました。
そして同時に、
少しだけ達成感もありました。
もちろん完璧ではありません。
でも、
「自分なりにお客様を理解しようとしてきたことは間違っていなかったのかもしれない」
そう思えた瞬間だったのです。
## 第五章:今なら少しだけ分かる
今でも「面白いホームページとは何か」と聞かれたら、正直よく分かりません。
20年近く考えてきましたが、明確な正解があるとも思っていません。
ただ、一つだけ感じていることがあります。
それは、
人は答えが欲しいのではなく、
理解してほしいのではないか、
ということです。
もちろん、お客様の悩みを完全に理解することなんてできません。
家づくりの不安も、
リフォームの失敗も、
その人にしか分からない部分があります。
だから私は、
「分かりますよ」
とは簡単には言えません。
でも、
「一緒に考えますよ」
なら言える気がするのです。
実際、最近の記事の反応を見ていても、
答えを一方的に教える記事より、
寄り添う記事の方が反応が良いように感じています。
こうすれば解決します。
これが正解です。
そう言い切るよりも、
「それ、悩みますよね」
「私もそう考えたことがあります」
と伝える方が、人は安心するのかもしれません。
だから今の私が考える面白いホームページとは、
読者を楽しませるホームページではありません。
読者に寄り添うホームページです。
そしてライティングとは、
文章を書く技術というより、
誰かを理解しようとする姿勢そのものなのかもしれません。