乾いた風が吹きはじめるこの季節になると、私は毎年あの夜を思い出します。
冬の夜中、通報を受けて駆けつけた一軒家。
遠くからでも見える炎の赤が、夜空を照らしていました。
家の中に入ると、焦げた匂いと煙で前が見えない。
ストーブの前には、黒く焼け落ちた洗濯物のかけら。
原因は——「ストーブの近くに干していた洗濯物が落ちて、引火した」ただそれだけ。
家族は何とか逃げ出して無事でしたが、
そのときの奥さんの震える声が、今も耳に残っています。
「ほんの少し、離しておけばよかったのに……」
私は、何度も似たような現場を見てきました。
ストーブ、こたつ、電気ヒーター……冬の暖かさは、時に命を奪います。
ほんの“数センチの油断”が、家族の思い出も、笑顔も、すべてを奪ってしまう。
——だからこそ、今伝えたい。
この乾燥の季節、
「ストーブのそばには絶対に洗濯物を干さない」
「コンセントの周りにほこりをためない」
「寝る前は必ず電源を切る」
これだけで、命は守れます。
私も家では、子どもたちにこう言います。
「お父さんは火事の現場を見てきた。だから“まさか”を作らない家にしよう」と。
火災は他人事じゃありません。
“昨日まで普通の暮らしをしていた家族”が、一瞬で全てを失う。
私はその光景を何度も見てきました。
でも逆に言えば——
今日、あなたが気をつければ、その「まさか」は防げます。
どうか、この冬、火のそばで安心しすぎないでください。
たった一枚の洗濯物が、家を燃やすことがあるのです。
🔥 命を守るための3つの約束
1️⃣ ストーブの近くに物を置かない
2️⃣ 外出・就寝前に火気を確認
3️⃣ 家族全員で「火の使い方」を共有する
この冬も、みんなが笑顔で年を越せるように。
あの日の現場を思い出しながら、私は今日も心から願います。
「どうか、火の用心を。」