顧みれば、私自身にも
思い当たる節があるのです。
特に機嫌が悪いわけでも、
お相手を嫌いになったわけでもない。
それなのに、ふと会話の途中で
貝のように口を閉ざしてしまったり。
あるいは、楽しく過ごした直後なのに、
ふらりと一人になりたくて
たまらなくなったり……。
女性からすれば、
「私、何か怒らせたかな?」
「もう飽きられちゃった?」と
不安の種になりますよね。
でも、これには男性なりの
ちょっと切実なシステムが関係しているのです。
今回は、そんな「男の沈黙と回避」の正体を、
心理学や脳の仕組みを借りて、
やさしく紐解いてみたいと思います。
1. 「洞窟」は、心のバッテリーを充電する場所
まず、男性がストレスを感じたとき、
「洞窟」に閉じこもる傾向があります。
これは目も合わせずスマホゲームをやっていたり
一人でネットフリックスをずっと見ていたり
文字通り部屋にこもったり…
女性はストレスが溜まると、
誰かとお喋りして共感してもらうことで、
心のエネルギーを回復させることが
得意ですよね。
対して多くの男性は、
ストレスを感じると
「一度シャットダウンして、
一人で考えを整理したい」という
本能が働きます。
心理学でいう「愛着のスタイル」が、
少しだけ自分を守る方向(回避傾向)に
動きやすいのです。
ココでは長くなるので気になる方は
【愛着 回避型】などで検索してみてください。
例えるなら、スマートフォンの
OSアップデートのような状態です。
アップデート中は、反応しなくなりますよね。
だから使えなくても良い夜中に
行われることが多いと思います。
彼が黙り込んでいるときは、
脳のリソースをすべて使って
「心の修復」や「仕事のストレス回復」の
更新作業をしている真っ最中。
あなたを無視しているのではなく、
今はアプデ作業が終わらないだけなのです。
2. 「ゴム紐」のように、離れることでまた引き合う
親密になった後にふっと距離を置く動きは、
よく「ゴム紐」に例えられます。
男性には、「ベッタリしたい時期」と
「シャキッと自立したい時期」が、
波のように交互にやってくる性質が
あるのです。
これには「テストステロン」という
男性ホルモンも関係しています。
大好きな人と穏やかに過ごすと、
このホルモンが減って
心はリラックスするのですが、
しばらくすると本能が
「狩猟者として、
オスとしての自分を取り戻せ!」と
定期的に狩猟者としての自律心を
取り戻そうと訴えかけます。
それで、一度離れて一人の男としての
感覚を取り戻そうとするわけです。
でも、安心してください。
ゴム紐は、遠くに伸びれば伸びるほど、
戻ってくる力も強くなります。
十分一人の時間を満喫して
「自律のエネルギー」が充填されると、
また猛烈にあなたに
甘えたくなって戻ってきます。
この「離れて、戻る」というサイクルこそが、
彼が新鮮な愛情を持ち続けるための
呼吸のようなものなのです。
なので離れたときに追いかけると、
余計離れてしまうので
放っておいてくれる女性に
とても信頼するようになるのです。
3. 「心の翻訳機」がちょっと旧式なだけ
最後に、感情を言葉にする力の差について。
「今、どう思ってるの?」と
聞かれて彼が黙ってしまうのは、
決して不誠実だからではありません。
男性は幼少期から
「感情を言葉にする」という練習を
積む機会が、女性よりも
ずっと少ない傾向にあります。
女性は友人同士でランチなどに行き
あれこれ心中を吐露しあいますが、
多くの男は友人同士でランチなど
行かないし、自分の本音や弱音を
人に見せたがりません。なので
心の中にはちゃんと
感情があるのですが、
それを言葉に変換する
筋肉が少し未発達で、
処理に時間がかかるのです。
「どう思ってるの?」と詰め寄られると、
彼は必死に辞書をめくって
言葉を探そうとします。
そこで急かされてしまうと、
急かされてしまう自分は無能だと
プライドが傷つき、
また洞窟に逃げ込んでしまいます。
彼が黙っているときは、
答えを隠しているのではなく、
一生懸命「言葉のパズル」を
組み立てている最中だと
思ってあげてくださいね。
おわりに:機嫌よく待つという「最高のプレゼント」
では、そんな不器用な男性と、
どう付き合っていけば
よいのでしょうか。
一番の正解は、
「彼を信頼して、自由にさせてあげること」です。
彼が洞窟にこもったり、
ゴム紐で遠ざかったりしたら、
「あ、今は充電中なんだな」と
割り切って、あなた自身も自分の趣味や
楽しい時間を過ごしてください。
扉を叩き続けるよりも、
少し放っておくほうが、
彼は安心して早く戻ってこれます。
彼がリフレッシュを終えて戻ってきたとき、
「おかえり」と
いつも通り機嫌よく迎えてあげること。
それが、不器用な彼を一番安心させ、
二人の絆を最も強くする
「魔法の戦略」になるはずですよ。
参考文献:ジョン・グレイ『ベスト・パートナーになるために: 男は火星から、女は金星からやってきた』