仕事の都合で、私は小5の長女・小3の長男・年長の次女を連れ、自宅を離れて3年間、単身で働くことになりました。
慣れない土地での生活、仕事の責任、転校先での子どもたちの不安――どれもが重なり、とても大変な時期でした。
なかでも、のんびり屋の長女はクラスに馴染めず、登校後に靴箱の隅に隠れたり、保健室で過ごしたりしていたそうです。
けれど私は、そのことを2か月ほど経ってから、人づてに知りました。
子どもたちは、私の様子を見て気をつかい、「言えなかった」のだと思います。
ただ、学校側からも一度も知らせがなかったことは、今でも腑に落ちません。
親が遠方にいようと、子どもの変化は必ず伝える必要があったのではないか――そう感じています。
悩んだ末、私は長女だけを夫の住む自宅へ戻しました。
その決断が正しかったかどうかは、今もわかりません。
ただ、「本人の性格の問題」だけでなく、学校の対応にも原因があったのだとすれば、一度でいいから相談してほしかった。
当時の私は、そう思わずにはいられませんでした。
それでも長女はその後、高校、短大へと進み、今は自分のやりたい仕事に向き合っています。
人生は予測できないことばかりで、事前に用意できるものなんて、ほとんどありません。
だからこそ大切なのは、
「今、この瞬間に何をするべきか」を判断する力。
そして、
ひとりで抱え込まないことですよね。
親として、あの頃の私は多くを学びました。
人に会うのも控えたい。会話をしていても言葉がスムーズに出てこない。そんな自分にその時は気づけなかった。結構いっぱいいっぱいだった。
でも、子どもがいたから、進むしかない。やるしかない。
子どもを育てながら、同時に自分自身も育てられていた――
まさに「子育ては親育て」だと気づかされた出来事でした。
その後も本人は紆余曲折ありながらも高校、短大と進み、今は自分のやりたい仕事を続けています。
子どもは、自分の力を信じる前に、まず「親が自分を信じている」と感じる必要があります。
ですが、親だって迷うし、不安になるし、間違えることだってありますよね。
もし今、子育てのことで揺れている方がいたら、どうか自分を責めすぎないでください。
完璧じゃなくていい。
その時のあなたにできる“最善”を積み重ねれば、必ず子どもに届いていきます。
私もまた、失敗しながら親に育てられてきました。
このシリーズが、あなたの気持ちを少しでも軽くできますように。
子育ては、答えのない旅。
だからこそ、一つの経験が誰かの光になることもあります。