「今日は勉強の話をしない」と決めた。ところが、学校から届いた宿題が机に積まれると、「このまま勉強が遅れたら、進学はどうなるのだろう」と焦ってしまう。
「少しだけでもやってみたら」と声をかけたい。でも、勉強の話になると子どもの表情が曇る。心配だからこそ、何も言えずにいる親御さんもいます。
そんなときは、今日、子どもが勉強できるかと、これからの学びや進路について親が確かめられることを分けて考えてみませんか。
📌結論
今、宿題に手がつかないことだけで、これからの学び方や進路が決まるわけではありません。
子どもの状態を見ながら、学校と確認できることから少しずつ見通しをつくれます。
🎈「春名しずくの不登校相談室」では、子どもの状態と環境、親の不安と関わり、学びと進路の選択をテーマに、迷いやすい場面を一つずつ考える記事をお届けしています。
✅宿題に手がつかないとき、先に見たいこと
机に向かえない姿を見ると、「勉強する気持ちまでなくなってしまったのかな」と感じることがあります。
学校から届いたプリントには、授業だけでなく、教室や先生、友達のことが結びついているかもしれません。何がつらいのかは、その子によって違います。今どんな状態で過ごしているか、学習の話題にはどう反応するか。そこから考えていきます。
届く宿題が親子の負担になっているなら、「今は手をつけられない状態です」と学校に伝えられます。親が毎日、子どもに宿題をさせる役を一人で担う必要はありません。
✅学ぶ場所は、教室の中だけではありません
学校に行けない間も、校内の別室、教育支援センター、自宅での学習など、状態に応じて考えられる場があります。文部科学省の通知も、一人ひとりに応じた多様な学びの場を確保する方針を示しています。
これは「今すぐ別の場所で勉強しなければ」という意味ではありません。まず休むことが必要な時期もあります。子どもの様子が変わったときに選べる道を、親が先に知っておくことにも意味があります。
義務教育段階では、自宅などで学習を始めた場合、その成果を一定の条件の下で成績に反映できる仕組みもあります。自動的に反映されるものではないため、わが子の場合の扱いは在籍校に確認が必要です。
✅進路の期限は、親が先に確かめられる
進級や受験が近づくと、「早く本人に決めてもらわないと」と焦ります。
学校に手続きの時期や相談できる窓口を聞くことと、今すぐ子どもに進路を決めてもらうことは別です。親が情報を確かめておけば、本人が話せるようになったとき、選択肢を一緒に見られます。
今日の宿題に手がつかなかった一日と、数か月先の進路。両方を同じ日に決めなくても、確認できることから進められます。
📌まとめ
今、宿題ができないことだけで、これからの学び方は決まりません。
子どもの状態を見ながら、学校内外で選べる学びの場を知っておけます。
手続きの期限は親が確認し、本人の進路選択は希望を聞きながら考えられます。
親として、支援者として
看護師・助産師として約30年、病院や行政で子どもと家族に関わってきました。NPOでの心理支援や自殺対策の相談も経験し、相談支援はのべ3,000件を超えます。
それでも、ASD・ADHDの息子が不登校になったときは、将来のことが不安でした。息子は5年間の不登校を経て、現在は全日制高校に通っています。ただ、わが家の進路が、ほかの子の正解になるわけではありません。
今の子どもの状態も、この先の選択肢も、どちらも大切にする。その子に合う学び方を、親御さんと一緒に考えます。