子どもが話してくれた事情を、親戚に勝手に伝えたくない。ところが「最近、学校はどう?」と聞かれると、黙っていても誤解される気がして返事に迷う。
詳しく話せば子どもが嫌がるかもしれない。「親は何をしているの?」と思われるのもつらい。短い会話の後も、「あの答え方でよかったのかな」と気になることがあります。
周りに話すか迷ったら、誰に、何のために伝えるのかを分けて考えてみませんか。
📌結論
子どもの不登校について、聞かれた相手にすべて説明する必要はありません。
子どもの気持ちやプライバシーを大切にしながら、必要な相手には必要なことを伝える。親自身がつらいときに、安心して話せる相手を持つことも大切です。
🎈メンバーシップ「春名しずくの不登校相談室」では、子どもの状態と環境、親の不安と関わり、学びと進路の選択について、迷いやすい場面から考える記事をお届けしています。
✅相手によって、伝えることは変えていい
学校の先生や相談先には、子どもの状態を知ってもらうために具体的な話が必要になることがあります。一方、親戚や知人には、詳しい事情を話さずに返すこともできます。
「今は学校を休んでいます。詳しいことは、本人の気持ちもあるので控えています」
そのくらいの返事で、会話を終えることもできます。何度も質問されても、その場で原因や今後の見通しまで説明しなくていいのです。
✅子どもが話してくれたことは、確かめてから
子どもが「友達と会うのがつらい」「先生が怖い」と話してくれたとしても、親戚や知人にそのまま伝えてよいとは限りません。
子どもが話せるときには、「誰になら伝えていい?」「どこまでなら話していい?」と聞いてみます。まだ聞けないときは、親が分かっていることの中から、相手に必要な範囲を考えます。
学校と相談するために伝える情報と、周囲の質問に答えるために話す情報は、同じでなくていいのです。
✅親自身のつらさを話せる場所も必要です
「子どものことを勝手に話してはいけない」と思うあまり、親自身も相談できなくなることがあります。
「毎朝の欠席連絡がつらい」「親戚から聞かれるのが苦しい」。自分に起きていることを、信頼できる人や相談先に話すのは、子どもの事情を周囲に言い広めることとは違います。
子どもにも、周囲に話してほしくないことがあるように、親にも一人で抱えきれない気持ちがあります。どちらも大切にできる話し方を探していきます。
📌まとめ
不登校の事情を、聞かれた相手全員に詳しく説明する必要はありません。
子どもが話してくれたことは、伝える相手と範囲を慎重に考えます。
親自身のつらさは、信頼できる人や相談先に話せます。
親として、支援者として
看護師・助産師として約30年、病院や行政で子どもと家族に関わってきました。NPOでの心理支援や自殺対策の相談も経験し、相談支援はのべ3,000件を超えます。
ASD・ADHDの息子の不登校を5年間経験し、支援の仕事をしていた私自身も、相談する側になりました。子どものことを大切にしたい気持ちと、親にも支えが必要だということは、両立します。
誰にどこまで話すか迷うとき、子どもの気持ちだけでなく、親が安心して話せる場所があるかも一緒に考えます。