進路を真剣に考えているのに、子どもに希望の進路を聞いても、「分からない」と言う。自分だけが焦っているような気がして、子どもにイライラしてしまう。
周りでは進路が決まり始めている。そんな話を聞くたびに、「うちも早く決めなければ」と焦ってしまうことがあります。
そんなときは、「どこに行きたい?」と答えを急いで求めるのではなく、今の子どもが何に迷っているのかを一緒に整理するところから始めてみませんか。
📌結論
子どもが「分からない」と言うときは、進路を決めることを急がず、今の子どもが何に迷っているのかを一緒に整理する。
子どもの言葉を聞きながら、少しずつ選択肢を探していきます。
🎈「春名しずくの不登校相談室」では、子どもの状態と環境、親の不安と関わり、学びと進路の選択をテーマに、迷いやすい場面を一つずつ考える記事をお届けしています。
✅「分からない」の中身を考えてみる
子どもが「進路は分からない」と言うと、親は「何も考えていないのかな」と心配になるかもしれません。
でも、「分からない」の中には、いろいろな気持ちが隠れていることがあります。
たとえば、まだやりたいことが見つからない、進学先の生活を想像できない、また学校に行けなくなったらどうしようと思っている、親に心配をかけたくなくて話せないなどです。
「分からない」という言葉だけで、子どもが進路について考えていないと決めつけず、何が分からないのか、何を不安に感じているのかを少しずつ見ていくことが、進路を考える手がかりになります。
✅「どこに行きたい?」ではなく、今できそうなことを聞く
進路そのものを聞くのではなく、どんな過ごし方ならできそうかを聞いてみる。
たとえば、毎日通うのは難しいけれど、週に何日かなら通えそう。家で勉強するほうが安心する。オンラインなら授業を受けてみたい。興味のあることを勉強してみたい。少しずつ人と関わってみたいなど、子どもの「できそう」が見えてくることがあります。
「どこに進学するか」をすぐに決めるのではなく、どんな環境なら過ごせそうかを考えていくと、学校を選ぶときの条件も少しずつ見えてきます。
✅親は情報を渡し、調べるかどうかは本人に任せる
子どもが「分からない」と言っているとき、親がすべて調べて進路を決めようとすると、子どもが置いていかれてしまうことがあります。
まずは親が気になる学校や進路の情報を集めて、
こういう学校があるみたいだよ、こんな通い方もあるみたい、気になるなら、一緒に見てみる?と、情報を渡してみます。
そのうえで、詳しく調べるか、資料を見るか、説明会に参加するかは、本人のペースに任せます。
すぐに調べなくても、後から「ちょっと見てみようかな」となることもあります。
親ができるのは、子どもに代わって進路を決めることではなく、子どもが自分で考えたり選んだりできるように、必要な情報を渡しておくことです。
📌まとめ
「分からない」の中にある不安や迷いを知る。
「どこに行きたい?」ではなく、「どんな環境なら過ごせそう?」と考える。
親は必要な情報を渡し、詳しく調べるかどうかは本人に任せる。
親として、支援者として
看護師・助産師として約30年、病院や行政で子どもと家族に関わってきました。NPOでの心理支援や自殺対策の相談も経験し、相談支援はのべ3,000件を超えます。
それでも、ASD・ADHDの息子が不登校になったときは、将来のことが不安でした。息子は5年間の不登校を経て、現在は全日制高校に通っています。ただ、わが家の進路が、ほかの子の正解になるわけではありません。
今の子どもの状態も、この先の選択肢も、どちらも大切にする。その子に合う学び方を、親御さんと一緒に考えます。