朝、子どもが起き上がれず、学校に欠席の連絡を入れる。ところが昼過ぎ、部屋からはゲームをしながら笑う声が聞こえてくる。
「元気そうでよかった」と思った直後に、「こんなに笑えるなら、学校にも行けたのかな」と迷う。休ませたことまで間違いだったように感じて、苦しくなることもあります。
そんなときは、「元気か、元気でないか」で答えを出すより、いつ、何をしようとしたときに様子が変わるのかを見てみませんか。
📌結論
家で笑えることと、学校で過ごせることは、同じではありません。
🎈「春名しずくの不登校相談室ブログ」では、
親が迷いやすい場面を一つずつ取り上げ、子どもの状態と環境、親の不安と関わり、学びと進路の選択という3つの視点から考える記事をお届けしています。
✅家では笑えるのに、学校へ行けないのはなぜ?
家では、自分のペースで過ごし、疲れたら休めるかもしれません。学校では時間に合わせて動き、人と関わり、音や視線の中で過ごします。
授業中より休み時間がつらい子もいます。教室に入る前から体が動かなくなる子もいます。何が負担になっているかは、一人ひとり違います。
午後にゲームを楽しめたとしても、朝のつらさが消えるわけではありません。家で笑っていたことも、学校へ向かうと動けなくなることも、どちらも子どもの姿です。どんな場面で様子が変わるのかを、そこから確かめていきます。
✅「いつ変わるか」が、子どもを理解する手がかりになる
「朝は学校に行けなかった」だけで一日を振り返ると、その前後にあった変化が見えにくくなります。
前の晩は眠りにくそうだった。朝食のときは話していたのに、制服を手にしたところで黙った。そんなふうに、親御さんが見た場面を順に並べてみます。
学校に行けた日も、帰宅後は普段より疲れた様子だったかもしれません。「行けた」という結果だけでは見えないこともあります。
こうした小さな変化は、子どもが理由を話せなくても、学校と共有できる手がかりになります。腹痛や眠れない状態が続くときは、体調について医療機関に相談することも考えられます。
✅学校に理由を聞かれたら
欠席の連絡をしたとき、先生に理由を聞かれて言葉に詰まることがあります。子ども自身もまだ話せないなら、親にも分からないままです。
「理由はまだ分かりません。午後は、家で笑って過ごすこともありますが、学校に行く朝は起き上がれません。学校で過ごしていたとき、気になる様子はありましたか」
家で見えたことを伝え、先生が見たことも聞いてみる。理由がはっきりする前から、学校と話し合えることがあります。
📌まとめ
家で笑えた時間も、学校へ行けなかった朝も、どちらも子どもの姿です。
前夜や朝の支度など、様子が変わる場面が負担を考える手がかりになります。
理由がまだ分からなくても、家で見えたことを学校に伝え、学校での様子も聞けます。
✅ 親として、支援者として
看護師・助産師として約30年、病院や行政で子どもと家族に関わってきました。NPOでの心理支援や自殺対策の相談も経験し、相談支援はのべ3,000件を超えます。
それでも、ASD・ADHDの息子が不登校になったときは、答えを見失いました。支援の知識があっても、わが子のこととなると不安になる。その経験が、今の発信の土台になっています。
家で笑う姿にほっとしても、次の朝を思うとまた心配になる。そんな親御さんの迷いも聞きながら、子どもに何が起きているのかを一緒に考えます。