先日、車を運転していた時、ラジオから懐かしい曲が流れてきました。
さだまさしさんの「道化師のソネット」
懐かしいと思わず耳を傾けてしまいました。
初めて聴いた頃は、アイドルが輝いていた時代。
その中での静かな一曲
──それが「道化師のソネット」でした(年齢がバレますね(笑))。
今この歳になって聴くと、まるで違う歌に聞こえます。
若い頃には気づかなかった言葉の重み、感情の深さが、
時を経てようやく胸に染みるようになりました。
(同じ世代の人には、わかってもらえるかも)
「笑ってよ 君のために 笑ってよ 僕のために」
このフレーズは、ただの優しさではありません。
誰かのために自分の感情を抑え、笑顔を差し出すという“心の演技”です。
スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングは、
人間の心を「意識」と「無意識」に分け、社会の中で人が演じる
“外向きの自分”を「ペルソナ(仮面)」と呼びました。
道化師は、その象徴とも言える存在のように感じます。
笑顔の仮面の下に、本音や悲しみをしまい込んでいるのです。
- 職場では「頼れる先輩」として振る舞い、
- 家では「親」としての役割を果たし、
- 友人の前では「明るい人」を演じる…
私たちもまた、日々の生活の中で“道化師”になっています。
それは弱さではなく、むしろ強さ。
他者への共感と、支え合うための優しさのかたちだと思いました。
ただし、ペルソナは本当の自分(ユングは「自己」と呼びます)とは、必ずしも一致するわけではありません。
仮面をかぶることが悪いわけではないけれど、時にそれが重なりすぎると、自分の本音や感情が見えづらくなってしまうこともあるかもしれません。
私自身もそうですが、「ちょっと疲れたな…」と、ふと呟きたくなる瞬間ってありますよね。
「道化師のソネット」は、そんな“心の仮面”にそっと光を当ててくれる歌に感じました。若い頃には気づかなかったその深さが、歳を重ねた今だから
ふと思う──この歌が語る“優しさのかたち”は、今の時代にもきっと通じるのではないかと…。
最後まで聴いて下さりありがとうございました。