社会人になって、私は地元を離れて一人暮らしを始めた。
その頃から、夜眠る前になると理由もわからず悲しい気持ちになって、涙する日が増えた。
その理由がわかったのは、30歳手前になった頃。
私は、子供の頃の気持ちを思い出して泣いていた。
「もっとお母さんにありがとうと言って欲しかった。」
「何で手伝いを頑張ってたのに、あんなに怒られたの?」
「何であのとき、ああ言ってくれなかったの?」
「私じゃなくて、兄と妹のほうが可愛かったの?」
「何も頑張っていなくても、愛してほしかった。」
子供の頃のことを映像として頭の中で思い出し、何度も何度も同じような気持
ちになって、その度に泣いた。
それは、特に失恋したときに強く思い出した。
そして、遂に気づいた。
「あれ?私の今の自分でもどうしようもできない不毛な恋愛癖は、この子供の頃のことが関係しているのかな?」って。