今度は私と父の話。
父はテニスが大好きで、家族みんなでテニスをやることが夢だった。
それを叶えるために子供の私たちにもテニスを教えた。
私は元々体を動かすことが好きだったこともあり、テニスはとても楽しかった。
兄が先にスクールに入り、私もそれを追いかけて小学1年生の頃からスクールに入らせてもらった。
段々上達し、試合に出るようになり、高学年に入るころには県内の大会では上位入賞、九州大会にも出られるようになった。
その頃から、父は私たちに勝つことを求めるようになってきた。
父の口癖は「人と同じように練習していたら勝てない。人の倍以上やらないと」というもの。
4年生の頃からは、引っ越しをしたこともあり、中学生の頃まではスクールではなく父が私のコーチになった。
学校から帰ると母に頼まれていた手伝いを終わらせ、支度をして父が帰ってくるとすぐにテニスの練習に向かう。
私は友達と一緒にテニスをやりたいという気持ちが強く、父とのテニスの練習はこれっぽっちも面白くなかった。
勝つのが当たり前。上手くできないと怒られる。
家でもテニスの話ばかり。
いつの間にか、私は大好きだったテニスが嫌いになっていた。
でも辞めなかった。
その理由は、テニスを辞めると家にいられなくなると思っていたから。
今思うとそんな訳はないと思うけど、子供の頃の私は本気でそう思っていた。