資料を作る仕事なのに、気づけば引き継ぎの相談に乗っていました。
「秘書なのに?」と思われるかもしれません。でも、これには理由があります。
私の資料作成は、デザインの仕事じゃない
資料作成って、見た目を整える仕事だと思われがちです。色を揃えて、図を入れて、フォントをきれいにして。もちろんそれもやります。
でも、見た目から入った資料は、ほぼ確実に「会社案内」になります。サービスの特徴が10個並んで、沿革があって、料金表があって。情報としては正しい。なのに、読んだ相手の心が動かない資料です。
だから私は、作る前に必ず聞くこと。
「お客さんに、一番よく言われる悩みや言葉はなんですか?」
この質問、「えーーーと。。」言語化に時間がかかることも。
自分のサービスのことは誰よりも詳しいのに、「お客さんが何に困って自分のところに来るのか」は、意外と言語化されていないんです。
ヒアリングでつい口を挟んでしまった話
先日のクライアントの顧客は地方の中小企業さん。
ヒアリングで出てきたのが、こんな悩みでした。
「お客さんの会社、ベテランさんの定年退職が続いてて。引き継ぎが心配だとよく言われるんです」
これ、よくあるやつ。わかる。
私は18年、地方で事務職をしていました。だからわかります。定年間際のベテランさんの仕事って、思った以上にブラックボックスでアナログです。地方中小企業ならこういう職場はたくさんあるでしょう。
手順はその人の頭の中だけ。「あの人に聞けばわかる」で20年以上(30年以上も余裕である)回ってきた業務。本人すら「何をやっているか」を全部は説明できなかったりします。経営者の方が思っているより、現場はアナログだし、マニュアルはあっても紙ベースの分厚いファイルだったり、細かい手作業が多々あります。
だから、ついつい言ってしまいました。
「システム導入すごくいいと思います!ただ、現場の業務がかなり属人化している印象があるお客さんなので、一度業務の洗い出しをしてもらってから進めた方が、よりスムーズに運用できるかなと思いました!私自身、地方のベテラン事務職だったんで!」
そこから営業資料の打ち合わせが、業務の棚卸しの話になっていました。私は外部の人間なので言いやすい面もあると思います。
でも、ここで気づいたんです。
いま目の前で出てきた「引き継ぎの不安」こそ、このシステム会社さんのお客さんが、一番聞いてほしい話なんじゃないか。
だったら資料の1ページ目は、機能の説明じゃない。
「ベテランの退職、引き継げてますか?」から始めるとどうでしょう?
資料の1ページ目、何から始まってますか?
営業資料って、突き詰めると「相手の悩みに、うちはこう応えます」を紙にしたものです。
悩みの深掘りをせずに作った資料は、どれだけキレイでも「会社案内」にしかなりません。
そしてもうひとつ。
資料は、商談が終わったあとも働き続けます。
あなたが帰ったあと、資料だけが相手の社内に残る。決裁者に見せられるのは、あなたのトークではなく、その紙です。
つまり資料は、あなたの代わりに相手の社内を回る営業マン。
その営業マンが「うちの会社はすごい」としか言えなかったら、もったいないですよね。
もし今、資料の1ページ目が自社の紹介から始まっていたら、試してほしいことがあります。
「お客様からよく聞く悩み」を3つ、先に書いてみてください。
ポイントは、想像で書かないこと。過去の商談で、実際に言われた言葉をそのまま使うことです。
「こういう悩みがあるはず」で書いた資料は、外れたとき一気に響かなくなります。
実際に言われた言葉は、外れません。
1ページ目だけでも、見直す価値ありますよ!