長いあいだ、わたしは息子のことを心配し続けてきました。
不登校の時期があり、受験でつまずき、心療内科に通い、アルバイトも続かなかったこと。
動き出したと思えば、また止まってしまう。
そのたびに、何も言わずに見守ることができず、言いすぎては後悔する。
親として、どう関わるのが正解なのか、ずっと迷いの中にいました。
2025年10月7日、満月の朝。
いつもなら感情が先に出てしまいそうな場面で、わたしは一度立ち止まりました。
ただ静かに、「今日19時までに決めてね」とLINEを送っただけでした。
責める言葉も、急かす言葉も添えませんでした。
その夜、息子は2社の求人票を持ってきて、「決めた」と言いました。
その一言を聞いたとき、何かが切り替わったような感覚がありました。
就職試験当日。
息子は送迎を希望しましたが、夫は仕事で休めず、わたしは運転ができません。
ダメ元で一人暮らししている長男に聞いてみると、ちょうど休みで、送迎を引き受けてくれました。
兄弟ふたりを送り出し、10時少し前に長男から「無事に着いて向かったよ」というLINEが届いた直後、10時を少し過ぎたころに、息子本人から電話がかかってきました。
面接をする前に、採用が決まったという知らせでした。
驚きましたが、不思議と心の奥では、静かに腑に落ちる感覚もありました。
振り返ってみると、満月の揺れや、家族のすれ違い、自分自身の整え直しが、すべて重なっていたように思います。
心配や焦りから動くのではなく、任せて、信じる。
わたしにとっての「整える」は、何もしないことではなく、余計な感情を手放すことだったのかもしれません。
親が変わると、子どもも動き出す。
その瞬間を、確かに目の前で見ました。
しかし、これで終わりではありません。
息子の人生は、ここから続いていきます。
自分で決め、自分で働いていく。
その歩みを、わたしはこれから、心配ではなく信頼で見守っていきたいと思っています。
静かな夕暮れの空を見上げながら、そう心に決めました。