「安心感」を伝える色、「高揚感」を伝える色——購買心理と配色の関係

「安心感」を伝える色、「高揚感」を伝える色——購買心理と配色の関係

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デザイン・イラスト
配色を考えるとき、私がまず問うのは「きれいかどうか」ではありません。「この商品を買う人に、どんな気持ちで決めてほしいか」です。順序が逆になった瞬間、デザインは商品から離れていきます。

「安心感」を届けたい商品は、寒色・中間色が向く

たとえば医療機器や健康関連の商材を考えてみます。こうした商品を選ぶとき、購入者の心の中で起きているのは「テンションを上げること」ではなく「不安を減らすこと」です。本当にこの製品で大丈夫か、誇張された効果ではないか、信頼できる作り手なのか——そうした問いに対して、静かに「はい、大丈夫です」と答え続けるのがデザインの役目になります。

このとき向きやすいのは、落ち着いた寒色系や、彩度を抑えた中間色です。青や淡いグリーン、グレーがかったベージュといった色は、一般的に「冷静」「清潔」「誠実」といった印象と結びつきやすいと言われています。派手な高彩度色を使うと、それだけで「煽られている」という警戒心が生まれ、購入の意思決定にブレーキがかかることがあります。安心を届けたい商品において、色は主張するためではなく、背景に退いて信頼を支えるために使われるべきです。

「高揚感」を届けたい商品は、暖色・高彩度色が向く

一方で、ファッションやエンタメ、趣味性の高い商材はまったく逆の力学が働きます。ここで購入者が求めているのは、冷静な判断材料ではなく「これを手に入れたら気分が上がる」という予感そのものです。むしろ迷いを断ち切って背中を押してくれる勢いのほうが、購買心理に合っています。

こうした商材では、暖色や高彩度色が力を発揮しやすくなります。赤やオレンジ、鮮やかなイエローは、一般的に「活力」「情熱」「楽しさ」といった感情と結びつきやすいとされる色です。もちろんこれは色彩心理学における傾向としての一般論であり、すべての人に同じ効果が保証されるわけではありません。ただ、多くの購入者が同じ文脈で商品を見ているEC画像やLPにおいては、こうした傾向を設計の手がかりにする価値は十分にあります。

「安心感」と「高揚感」に、優劣はない

ここで大切なのは、「安心感の配色」と「高揚感の配色」に優劣はないということです。どちらも、購入者を正しい心理状態に導くための手段にすぎません。健康関連の商品に高彩度の暖色を使えば、信頼よりも先に警戒心を刺激してしまうかもしれません。逆に、ファッションアイテムを寒色や中間色でまとめてしまうと、本来欲しかった高揚感が伝わらず、「悪くはないけれど、欲しいとまでは思わない」という宙ぶらりんな印象を残してしまいます。

私が「腑落ちドリブン」という言葉を使うのは、まさにこの部分に理由があります。配色は感覚で選ぶものではなく、購入者がその商品にどんな心理状態で向き合うべきかを言語化したうえで、逆算して選ぶものだということです。何色が流行しているか、何色が自分の好みかではなく、「この商品は、どんな気持ちで選ばれたがっているか」を問う。その問いに腑落ちできたとき、初めて配色は根拠を持ちます。

商品ページを作る前に、一度立ち止まって考えてみてください。あなたの商品は、購入者に安心して選んでほしい商品でしょうか。それとも、気分を上げて選んでほしい商品でしょうか。答えが決まれば、配色の方向性はおのずと見えてきます。

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