写真がうまく撮れないから、インスタに出せない。個人店のインスタで、スマホの写真の撮り方に自信が持てず、撮ったまま投稿していない。そんな写真が、スマホの中にたまっていませんか。
出せないのは、腕が足りないからではありません。「きれいに撮る」を目標にしているので、いつまでも合格点が出ないだけです。
この記事で分かることは、3つです。
・個人店の写真で、初めての人が見たい3つの場面
・スマホで撮るときの3つの決めごと
・1つの投稿に、写真を並べる順番
目標を「きれいに撮る」から「行ったときの様子が分かる」に変えると、撮るものがはっきりします。まずは、なぜ手が止まるのかから見ていきます。
【写真が下手だと感じて、投稿できなくなる理由】
インスタを開くと、プロが撮ったような写真が並んでいます。光がきれいで、色がそろっていて、雑誌の1ページのよう。それと自分のスマホの写真を見比べて、「これは出せない」と閉じてしまう。わかります。
でも、比べている相手が違います。目に入りやすいのは、写真そのものを見せたい人や、広く知られたいお店の投稿です。そこでは、写真の美しさがそのまま目的になっています。
個人店が写真で伝えたいのは、別のことです。近くに住んでいる人、通える範囲で働いている人に、「このお店なら行けそうだ」と思ってもらうこと。そのために必要なのは、美しさより、分かりやすさです。
たとえば、あなたがカフェで焼きたてのスコーンを撮ったとします。背景をぼかして、光を調整して、何枚も撮り直す。30分かけた1枚は、たしかにきれいです。けれど、初めての人が知りたかったのは、スコーンの大きさや、どんな席で食べられるのか、だったかもしれません。
ネイルサロンでも、パーソナルジムでも、同じことが起きます。仕上がりや器具をきれいに撮ろうとするほど時間がかかり、出せる枚数が減っていきます。
しかも、きれいに撮れた1枚ほど、次の1枚のハードルを上げます。前より見劣りする写真は出しにくくなり、投稿の間隔があいていきます。
うまく撮れないから出せないのではなく、目標が高すぎて出せない。そう考えると、直すのは腕ではなく、目標のほうです。では、個人店の写真は何を目標にすればいいのか。
【個人店の写真の役割は、行ったときの様子を見せること】
個人店の写真の役割は、行ったときの様子を見せることです。
初めてのお店に行く前、人は写真を見ながら、頭の中で一度そのお店に行っています。入口を入って、席に座って、注文して、受け取る。その流れのどこかが想像できないと、「また今度にしよう」となりやすくなります。
写真から確かめたいことは、大きく3つに分けられます。
・入りやすいか(入口や、外からの見え方)
・中でどう過ごすのか(席、施術する場所、トレーニングする場所)
・何が出てくるのか(商品や仕上がりと、その大きさ・量)
どれも、文章で説明するより、写真1枚のほうが早く伝わります。
たとえば、ビルの2階にあるネイルサロン。仕上がりの写真が何十枚並んでいても、入口の写真が1枚もなければ、初めての人は建物の前で迷います。きれいな写真の数より、足りない場面がないことのほうが、来店には近いのです。
この3つは、「映える写真」とは別のものです。映える写真には、流れてきた投稿に目を止めてもらう力があります。一方で、行くかどうかを決めるときに見られるのは、様子が分かる写真のほうです。両方あるのが理想ですが、時間が限られているなら、先にそろえたいのは後者です。
様子が分かる写真には、もう1つ良いところがあります。うまく撮る必要がありません。入口がまっすぐ写っていて、明るければ、それで役目を果たします。
「きれいかどうか」で写真を見ると、合格か不合格かは気分で変わります。「行ったときの様子が分かるか」で見ると、判断ははっきりします。入口は写っているか。席は写っているか。大きさは分かるか。次は、この3つを具体的にどう撮るかです。
【何を撮るか。初めての人が見たい3つの場面】
3つの場面を、1つずつ見ていきます。
1つ目は、入口です。お店の前まで来た人が見る景色を、そのまま撮ります。道路から見た外観と、ドアの前に立ったときの見え方。看板や目印になるものが入っていると、当日迷いません。2階にあるお店や、建物の奥にあるお店は、階段や通路の写真が1枚あるだけで、入るまでの不安が減ります。
2つ目は、中の様子です。ここは、お客さまの目の高さで撮るのがコツです。立って上から撮ると、店内の説明にはなりますが、自分がそこにいる想像はしにくくなります。椅子に座って、目の高さでスマホを構えてみてください。
3つ目は、商品や仕上がりと、その大きさです。商品だけを大きく写すと、量が分かりません。手を添える、カップを横に置く、お皿ごと写す。比べるものが1つ入ると、大きさが伝わります。
業種別の例
・カフェ:道路から見た入口/窓際の席に座った目線/手を添えたケーキと、横に置いたカップ
・ネイルサロン:建物の入口と、部屋のドア/施術の席に座ったときに見える景色/指先だけでなく、手全体が写った仕上がり
・パーソナルジム:ビルの入口と看板/トレーニングする場所の全体(広さが分かるように)/初回に使う器具と、着替える場所
入口と中の様子は、一度撮れば、しばらく使えます。季節や模様替えで変わったときに撮り直せば十分です。
日々の投稿で増やしていくのは、3つ目の商品や仕上がりの写真です。撮る場所と角度を決めておけば、営業中でも数秒で撮れます。撮る場面の決め方は#18に、業種ごとに効く写真の違いは#3に書きました。
何を撮るかが決まったら、次はどう撮るかです。
【スマホで撮るときの決めごとは3つ。明るさ・向き・背景】
スマホで撮るときに決めておくことは、3つだけです。
・明るい場所で撮る
・縦向きで、まっすぐ撮る
・背景を片づける
1つ目は、明るさです。写真の印象は、明るさで大きく変わります。いちばん簡単なのは、窓の近くで撮ること。昼間の自然な光はやわらかく、料理も手元も、実物に近い色で写ります。
夜しか撮れないときは、照明の真下を避けて、商品に影がかからない位置を探します。撮る前に、レンズをやわらかい布でひと拭きするのも忘れずに。指のあとが付いていると、全体が白っぽくぼやけます。
2つ目は、向きです。スマホは縦に持って撮ります。インスタは縦長の画面で見るものなので、縦の写真のほうが画面を大きく使えます。プロフィールに並ぶ小さな写真は、上下や左右の端が切れて見えることがあります。見せたいものは、真ん中に置いてください。
まっすぐ撮るには、カメラのグリッド線(画面に出る縦横の線)が便利です。スマホのカメラの設定で出せます。テーブルのふちや壁の線をグリッド線に合わせるだけで、傾きが目立たなくなります。
3つ目は、背景です。撮る前に、画面の四すみを見てください。レジ横の段ボール、伝票、私物のバッグ、コードの束。毎日見ているものは、目に入らなくなっていますか?
写真になると、初めての人の目はそこに行きます。どかすか、写らない角度に変えるだけで十分です。
加工は、明るさを少し足すところまで
撮ったあとの加工は、明るさを少し上げるくらいにとどめます。色を大きく変えたり、強いフィルターをかけたりすると、実物と違って見えます。来店したときに「写真と違う」と感じさせてしまうと、次の来店につながりにくくなります。
とくにネイルの色や料理の色は、実物に近いことが信頼になります。迷ったら、加工する前の写真と並べて、実物に近いほうを選んでください。
写真が何枚か撮れたら、次は並べ方です。
【1つの投稿に、写真を並べる順番】
インスタでは、1つの投稿に複数の写真を入れて、横にめくって見てもらうことができます。様子を伝えるには、1枚で全部を見せようとするより、役割の違う写真を並べるほうが向いています。
おすすめの順番は、こうです。
・1枚目:いちばん見せたいもの(商品や仕上がり)
・2枚目:全体の様子(席や、施術する場所と一緒に写したもの)
・3枚目:来るときに役立つもの(メニュー表、値段、入口など)
1枚目は、流れてきた投稿の中で目に入る写真です。主役を大きく、真ん中に置きます。2枚目で少し引いて、どんな場所で受け取るのかを見せます。3枚目は、行くと決めた人が確かめたい情報です。
業種ごとに並べると、こうなります。
・カフェ:スコーンを近くで撮った1枚/窓際の席に置いたスコーンとコーヒー/今月の焼き菓子と値段が分かるメニュー
・ネイルサロン:仕上がりの手元/施術の席/メニューと所要時間が分かる
・パーソナルジム:初回に使う器具/トレーニングする場所の全体/初回の流れが分かる案内
毎回3枚を新しく撮る必要はありません。入口や席の写真は、一度撮ったものをくり返し使ってかまいません。新しく撮るのは1枚目だけ、という投稿でも、初めての人には十分役に立ちます。
写真に添える文章も、同じ考え方で書けます。写真で分からないことを、文章で足す。書く順番は#19にまとめました。
写真を並べる前に、1つだけ先に決めておきたいことがあります。人が写る写真の扱いです。
【人が写る写真は、撮る前に決めておく】
お店の写真には、人が写ることがあります。お客さまの手元、施術中の後ろ姿、トレーニング中の様子。人が入ると様子は伝わりやすくなりますが、撮る前に決めておきたいことがあります。
・お客さまが写るときは、撮る前に声をかけ、載せてよいかを確かめる
・顔が写っていなくても、手元や後ろ姿で本人と分かることがある
・ほかのお客さまが、背景に写り込んでいないか確かめる
・スタッフを写すときも、本人に確かめる
「撮っていいですか」と「インスタに載せていいですか」は、別の質問です。撮るのは良くても、載せることには抵抗がある方もいます。両方を聞いておくと、あとで困りません。
聞くときは、断りやすい言い方にしておきます。「もしよければ、で大丈夫です」とひと言添えるだけで、相手は答えやすくなります。
聞く時間が取れない日は、人を入れない写真にします。席だけ、器具だけ、商品だけ。先に書いた3つの場面は、人が写っていなくても撮れます。
もう1つ、撮影のために接客を止めないこと。撮るのは、手が空いた瞬間だけで十分です。目の前のお客さまを待たせて撮った1枚より、そのお客さまにもう一度来てもらうことのほうが、お店にとっては大きいはずです。
写真が「行ったときの様子」を伝えられているかどうかは、自分では判断しにくいものです。毎日見ている場所なので、何が足りないのかに気づきにくいからです。
お店に来たことのない家族や友人に、プロフィールに並んだ写真だけを見てもらってください。「入口は分かった?」「中の様子は想像できた?」と聞くと、足りない1枚が見つかります。
【まとめ:次に撮る1枚でやること】
写真が出せないのは、腕が足りないからではなく、「きれいに撮る」を目標にしていたからでした。
・役割:行ったときの様子を見せる
・撮るもの:入口、中の様子、商品や仕上がりと大きさ
・撮り方:明るい場所で、縦向きでまっすぐ、背景を片づける
・並べ方:見せたいもの → 全体の様子 → 来るときに役立つもの
次に撮る1枚でやることは、3つです。
・プロフィールを見て入口・中の様子・大きさが分かる写真があるかを見る
・足りない場面を1つ、窓の近くで、縦向きで撮る
・撮る前に、画面の四すみに余計なものが写っていないか確かめる
写真も、初めての人の目線で一緒に見ます
撮るものが決まっても、「この写真で、行ったときの様子が伝わっているのか」は、お店の中にいると判断しにくいところです。
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