【本田教之】占い師にシステム開発を頼むべき、たった一つの理由。
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先日、商店街の隅っこで手相を見ている占い師の先生を眺めていて、ふと気づいたことがあります。私たちシステムエンジニアと、運命を読み解く占い師は、実は全く同じ仕事をしているのではないかという仮説です。何を言っているんだと思われるかもしれませんが、これには二十年という月日をシステム開発に捧げてきた私なりの真面目な根拠があります。
システム開発を依頼しようとする時、多くの人は機能やスペックの話をします。どの言語を使うか、サーバーの容量はどうするか。しかし、本当に大切なのはその手前にある「悩み」の正体です。お客様が「こんなシステムが欲しい」と口にする時、その裏側には、今の仕事が回らなくて不安だとか、もっと楽になりたいといった、非常に人間的で切実な感情が隠されています。これは、占いの館を訪れる人が「これからの運勢を知りたい」と言う時の心理と、驚くほど似通っているのです。
優れた占い師は、相談者の手相や生年月日から、その人が無意識に避けてきた課題や、まだ気づいていない才能を指摘します。システムエンジニアも本来、そうあるべきです。お客様から提示された要件定義書をそのまま形にするのは、単なる作業に過ぎません。本当のプロフェッショナルは、対話を通じて、お客様自身も気づいていない「業務の淀み」を特定し、それを解消するための最適な手順を提案します。つまり、プログラムのコードを書く前に、その組織が持っている宿命のようなものを読み解き、より良い未来へ書き換える作業を行っているのです。
私は、システムとは現代の「お守り」だと思っています。持っているだけで安心でき、日々の活動をそっと支えてくれる存在。だからこそ、ただ動けばいいというものではありません。使う人の手の大きさに馴染み、その人の歩幅に合わせて機能し、時には迷いを断ち切ってくれる。そんな血の通った仕組みを作るためには、論理的な思考と同じくらい、相手の心に寄り添う洞察力が必要になります。
もし、あなたが今、システム開発を誰に頼めばいいか迷っているなら、その人があなたの話をどれだけ「占うように」聞いてくれるかを確認してみてください。技術的な正論ばかりを並べる人よりも、あなたの言葉の端々に隠れた不安や希望を丁寧に拾い上げてくれる人。そんな相手こそが、あなたのビジネスに本当の意味での幸運をもたらす、最高の設計者になるはずです。
私が目指しているのは、画面の中に魔法をかけることではありません。あなたの毎日が少しだけ軽やかに、そして前向きになるような、そんな願いを込めた仕組みをお届けすることです。たとえそれが目に見えない数字の羅列だったとしても、その向こう側には必ず、幸せになってほしいと願う誰かの顔がある。二十年間、私がこの仕事を続けてこられたのは、そんなエンジニアとしての「お告げ」を信じ続けてきたからかもしれません。