入力ミスを防ぐ方法|締め日に気づく前に止める

入力ミスを防ぐ方法|締め日に気づく前に止める

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月末の締めで、集計の数字が合わない。伝票を遡っていくと、単価の欄にゼロがひとつ多い行が一件だけ見つかる。入力されたのは三週間前だった。入力した本人のところへ確認に行くと、その日のことはもう覚えていないという。

直すのは一分もかからない。そこに辿り着くまでに、探して、聞いて、関係する資料を出し直している。締め日のたびに同じことをしていて、しかも見つかるのはいつも、その月がひととおり終わってからだ。

当方は営業の現場でExcelの表を回してきて、いまはそういう作業を小さなツールに移す仕事をしている。移す前に、締めで見つかったミスを一件ずつ「いつなら止められたか」で遡ると、多くは入力したその瞬間に止められた種類のものだと分かる。ここで方向を間違えやすい。確認を増やして早く見つけにいくのではなく、発生する側に手を入れたほうが効く。

締め日は、ミスが起きた場所ではない

締め日に出てくるのは、三週間前に起きたことの結果でしかない。週次でチェックする、二人で見る、締めを前倒しする。どれも有効ではあるが、見つける時刻を早めているだけで、起きる件数そのものは変わらない。

そして遅れて見つかるほど、後始末が高くつく。入力した直後なら本人が覚えている。三週間経つと本人にも分からず、伝票の原本を出してくるところから始まる。請求書を出した後になれば、社外への訂正の連絡まで発生する。
「その日のことは覚えていない」と言われた時点で、原因の特定は推測になる
効く場所は入力の瞬間だ。ここで止まらなかったものだけが、締め日まで生き延びてくる。逆に言えば、締め日に見つかる一件ずつが、入力欄のどこが素通りになっているかを教えてくれている。

止められるものと、止められないもの

とはいえ、全部を止めようとすると失敗する。機械が入力の瞬間に判定できるのは、値の「形」だけだからだ。選択肢のどれかに当てはまるか、空欄でないか、桁数が収まるか、日付として成立するか、すでに同じものが登録されていないか。

一方で、単価が千二百円なのか一万二千円なのかは、形としてはどちらも正しい。あり得る値かどうかまでは機械が知らない。止められるのは形の誤り、止められないのは値そのものの誤り。この線を先に引いておく。

入力の瞬間に止まるか

線を引くと、あとの設計が決まる。形の誤りは仕組みに任せ、人は値のほうだけを見る。全部を人が確認する運用にすると、機械で止まるはずのものにまで注意力を使うことになって、肝心の桁違いを見落とす。

Excelの入力規則は、貼り付けで消える

Excelにも入力規則も、リストからの選択も、条件付き書式もある。実際に設定してある表は多いし、作った人はきちんと考えて入れている。それでも締め日にミスが出るのは、設定した規則が消える瞬間があるからだ。

ひとつは貼り付け。他のファイルからコピーして貼ると、貼り付け元の設定ごと入ってきて、元の規則が上書きされる。前月のシートから今月分を持ってくるのはごく普通の操作なので、規則が消えたことに誰も気づかない。

もうひとつは、後から足した行。規則をかけた範囲の外に表が伸びると、その行には何も効いていない。表は毎月伸びるので、時間が経つほど無防備な行が増えていく。シート保護も、急ぐ日に外れたまま戻らないことがある。

どれも操作が悪いのではなく、運用で守り続ける前提のほうが先に崩れるという話だ。担当が変わったり人が増えたりした時点で、設定した本人しか知らない決まりごとは効かなくなる。

「後で直せばいい」が奪うもの

締め日に見つけて直す運用は、直したら終わりに見える。ただ、上書きで直してしまうと、直す前の値がどこにも残らない。その場は片づくので問題にはならない。困るのは二度目のときだ。

同じ欄がまた合わないときに、前回どう直したのかを誰も出せない。前回は入力の誤りだったのか、元の伝票そのものが違っていたのか。残っていない記録は、後から誰にも確かめられない。直すなら、いつ誰が何をどう変えたかを一行残す形にしておきたい。

残しておくと副産物もある。直した記録が同じ欄、同じ画面、同じ時間帯に偏っていれば、入力する人の不注意ではなく、欄の並びか手順のほうに原因があると分かる。直す対象が、人から作りに変わる。

手間を増やさずに止める

止めるというと、確認の画面を増やす方向を思い浮かべる。ただ、それをやると嫌われる。入力する人はたいてい締切に追われていて、手間が一つ増えた仕組みは、数か月すると誰かが飛ばすようになり、そこから戻らない。

逆から考えたほうがいい。打つ回数を減らすほど、間違えられる場所が減る。止めるための工夫と、速く入力するための工夫は、ほとんど同じ方向を向いている。入力する人にとっても得になる形にしておく。

打つ回数を減らす工夫

特に効くのは前回の値を出しておくことです。同じ取引先の前回の単価が欄の下に薄く出ていれば、桁がひとつ違った瞬間に目に留まる。機械には正誤が分からない値でも、人には見える形にできる。

選択肢を絞るときは、例外の逃げ道を先に決めておく。一覧にない取引先はいずれ出てくる。そこを塞ぐと、備考欄に手で書かれるか、名前の似た別の先が選ばれるかのどちらかになる。実務が止まるのは、正常な流れではなく例外のほうだ。

二人目が見る場所は、一か所だけにする

形で止めきれない分は、結局のところ人が見るしかない。ただ、全件を二人で見る運用は形だけになりやすい。件数が多いと、見ているつもりで目が滑るようになる。そうなると、二人で見ていること自体が安心の材料になってしまう。

見る対象のほうを絞る。前回と大きく違う金額、決めておいた上限を超える金額、初めての取引先、締め間際に入った分。この程度に条件を決めて、該当したものだけを一つの画面に集めておく。

一日に数件で収まれば、確認は続く。数十件出るようなら条件が緩いので、絞り直す。ここまで来ると、締め日にやることが、伝票を探すことから、その画面を上から見ることに変わる。

当方は元金融系のシステムエンジニアで、いまはExcel・紙の作業を小さなツールにする仕事を受けている。入力を止める仕組みは一画面のツールでも作れるので、まずは一番間違いが出ている一作業だけを切り出すことが多い(ログインや複数人での利用が要るものは、もう一つの出品で承っています)。どの欄で止めればいいか決まっていない段階で構いませんので、ココナラのメッセージからご相談ください。
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