Excelで表を作っていると、
「ここは同じ項目だから、セルを結合しておこう」
と思うことがあります。
例えば、同じ部署に所属する5人が並んでいたら、「外科病棟」と5回入力するより、5つのセルを縦に結合して中央に「外科病棟」と入れる。
タイトルなら、A列からF列まで結合して中央に配置する。
見た目としては、こちらの方がすっきりすることもあります。
ところが、そのExcelをしばらく使っていると、
「並べ替えがうまくできない」
「フィルターを使いたいのに使いにくい」
「別の表にコピーしたら崩れた」
ということがあります。
今回は「セル結合を使ってはいけない」という話ではなく、Excelを“見せる表”として使うのか、“データ”として使うのかというところから考えてみます。
見た目はきれいでも、データとしては扱いにくいことがあります
例えば、職員名簿を作るとします。
氏名 部署 経験年数
Aさん 外科病棟 5年
Bさん 外科病棟 3年
Cさん 外科病棟 8年
Dさん 内科病棟 4年
この表を見て、
「外科病棟が3回も書いてあるから、まとめた方がきれい」
と思うかもしれません。
そこで「外科病棟」の3セルを縦に結合する。
人が見るだけなら、それでも意味は分かります。
でも、
「経験年数が5年以上の人だけ並べたい」
「部署ごとに並べ替えたい」
「外科病棟だけフィルターで表示したい」
となると、セル結合が邪魔になることがあります。
Excelは見た目を整えるだけではなく、入力されたデータを並べたり、探したり、集計したりできることが大きな特徴です。
その機能を使う可能性があるなら、見た目だけを優先しすぎない方が扱いやすくなります。
データとして使うなら「1行=1件、1列=1項目」
名簿やアンケート結果、研究データなどをExcelで管理するとき、基本として考えやすいのが、
1行=1件
1列=1項目
という形です。
例えば、
ID 年齢 部署 経験年数 研修受講
001 28 外科病棟 5 あり
002 25 外科病棟 3 なし
003 32 内科病棟 8 あり
という形です。
この場合、「外科病棟」が何回出てきても問題ありません。
むしろ、
一人ひとりの行に必要な情報が入っている
ことに意味があります。
同じことは研究データでもあります。
例えばアンケート結果を入力するとき、
途中に、
<20代>
という見出し行を入れて、その下に20代の対象者を並べる。
少し空白を入れて、
<30代>
と書く。
人が見ると分かりやすいかもしれません。
でも、あとから年齢による集計や並べ替えをするなら、「年代」という列を作って各行にデータを入れた方が扱いやすくなります。
Excelでは、
見た目でグループを作るより、データとしてグループを識別できるようにする
という考え方が便利です。
「見せるための表」と「データを扱う表」は分けて考える
では、セル結合は使わない方がよいのでしょうか。
私は、そうは思いません。
例えば、
印刷して掲示する当番表。
完成した勤務表。
提出用の帳票。
案内用のスケジュール。
など、完成したものを人が見ることが主な目的なら、セル結合によって分かりやすくなることもあります。
「4月」という見出しを複数の列にまたがって表示したい。
午前と午後を視覚的に分けたい。
大きなタイトルを表の中央に置きたい。
こうした場合まで、無理にセル結合を避ける必要はありません。
一方、
名簿。
アンケート結果。
顧客リスト。
研究データ。
売上データ。
商品一覧。
など、あとから検索・並べ替え・集計・分析する可能性があるものでは、セル結合は慎重に使います。
つまり、
「セル結合は良い・悪い」ではなく、そのExcelを何に使うのか
で考えるということです。
場合によっては、
データ入力・管理用のシート
と、
印刷・閲覧用のシート
を分ける方法もあります。
元データは扱いやすい形で残しておき、見せるときだけ別の形に整える。
そうすれば、データとしての使いやすさと、見た目の分かりやすさを両立しやすくなります。
「きれいに見せるため」にデータを壊さない
Excelで表を作るとき、セル結合以外にも、見た目を整えるためにやってしまいやすいことがあります。
例えば、
グループごとに空白行を入れる。
同じ値だから2行目以降は空欄にする。
表の途中に小見出しを入れる。
一つのセルに複数の情報をまとめる。
などです。
例えば、
氏名 所属・経験年数
Aさん 外科病棟・5年
Bさん 内科病棟・3年
とすると、人が読むには分かります。
でも、
「外科病棟だけ抽出したい」
「経験年数の平均を出したい」
となると、少し扱いにくくなります。
それなら、
氏名 所属 経験年数
Aさん 外科病棟 5
Bさん 内科病棟 3
と分けておく。
こうしておけば、あとから必要に応じて組み合わせることもできます。
Excelでは、
あとから分けるより、最初から分けておく方が扱いやすい情報
がたくさんあります。
「見た目として1つに見せたい」と「データとして1つにする」は、別に考えてもよいと思います。
あとから何をするかを考えて作る
Excelを作り始めるとき、
私は、
「この表、完成したあと何をする?」
と考えると分かりやすいと思います。
印刷するだけ?
毎月データを追加する?
並べ替える?
検索する?
集計する?
グラフにする?
他の人も編集する?
統計ソフトへ移す?
例えば、研究データなら、最終的に統計解析へ使うことがあります。
その場合、
見た目がきれいな表を作ることより、
1つのセルに1つの値が入り、項目が一定のルールで並んでいる
ことの方が重要になります。
逆に、最終的に印刷して掲示するだけなら、見る人にとって分かりやすい配置を優先できます。
Excelは、
計算。
集計。
データ管理。
グラフ。
帳票作成。
など、いろいろな使い方ができるソフトです。
だからこそ、
「Excelだからこの作り方」ではなく、「このExcelを何に使うから、この作り方」
と考える方がよいと思います。
まとめ
Excelでセルを結合すると、
見た目がすっきりすることがあります。
だから、
セル結合そのものが悪いわけではありません。
ただし、
あとから、
並べ替える。
フィルターを使う。
集計する。
データを追加する。
分析する。
といった使い方をするなら、セル結合が邪魔になることがあります。
そんな表では、
1行=1件
1列=1項目
を意識して、同じ値でも必要なら各行に入力しておく。
そして、
「見せるための表」と「データとして扱う表」を分けて考える。
これだけでも、あとから使いやすいExcelになります。
セルを結合する前に、
「この表、完成したあと何をする?」
と一度考えてみる。
見た目を整えることだけではなく、あとで使いやすいこともExcelの“見やすさ”の一つなのだと思います。
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