「世の中には2種類の男しかいない。俺か、俺以外か」
ホスト界の帝王として知られるローランド氏のこの一言に、「キャラ作りのため」「なんて自己中心的なんだ」と眉をひそめるかもしれない。しかし、私はむしろこの言葉にこそ、人間が本来持つべき「自己肯定」の本質が凝縮されていると考える。それは決して傲慢や独善ではなく、自分という存在の尊さを深く認識し、そのうえで他者とどう向き合うかを問う、極めて本質的な態度だ。
このローランド氏の思想と極めて近い概念が、仏教にも存在する。それが「天上天下唯我独尊」という言葉である。ヤンキーの特攻服を思い出す人もいるかもしれない・・・笑
しかし、彼が自信に満ちた表情で語る一言一言は、決して他者を貶めるためのものではない。むしろ、彼は「自分以外の他人」もまた、自分と同様に幸せになってほしいと願っている。そのために、まずは自分が誰よりも幸せでなければならない、という当たり前を言っているにすぎない。
仏教には「自利利他円満」という考えがある。まずは自分自身が満たされ、その後に他者にその幸福を分かち合う。自分が苦しい状態で他人を救おうとしても、そこには偽善や押し付け、あるいは疲弊しか生まれない。ローランド氏は「自分の人生の主人公は俺だ」と言うことで、まず自分自身を満たし、その輝きによって周囲も照らそうとしているのだ。
重ねて言うが、ローランド氏が単なる利己主義ではないということだ。彼は「自分さえ良ければいい」とは決して言わない。むしろ「まず自分が幸せでなければ、他人を幸せにできない、そもそもそれって意味あるの?」という合理的かつ倫理的、そして人間の限界への提言である。
かつて、ブッダになる前のゴータマ・シッダールタは、苦行の迷走中に「わたしは何度も思念し、あらゆる考察を試みたが自分自身より尊い存在をみつけられなかった」と涙したと伝えらているが人間の限界を感じたのだろう・・
他人の人生に嫉妬することなく、自分の人生に集中する。
この言葉の裏には、「君もまた、君自身の人生の主人公になってほしい」という静かなメッセージがある。ローランド氏は「全員俺になれ」と言っているのではない。「君は君でいい、ただし、主人公であることを忘れるな」と言っているのだと。