おはようございます、廣瀬(ひろせ)です。
僕は普段、「やる気に頼らず人生を好転させるヒント」をテーマに発信をしています。
いきなりですが、昨日の夕方、近所のコメダ珈琲でアイスコーヒーを飲んでいたときの話をさせてください。
隣の席に、20代半ばくらいのスーツを着た男性2人が座っていたんです。一人がノートPCを叩きながら、「いやー、同期の〇〇、もう今期の目標達成したらしいよ。アイツ本当にすごいわ……それに比べて俺なんて、まだ件数半分だもんなぁ」って、ちょっと苦笑いしながら呟いたんですよね。
それを聞いて、僕は思わず持っていたグラスを置く手が止まりました。
「あ、これ昔の僕だ」って。
胸の奥がキュッと締め付けられるような、あの独特の嫌な感覚が蘇ってきたんです。
カフェのテラス席で、画面が見えなくなった日
今から3年前、僕が31歳の夏のことです。
当時、僕はWeb制作のフリーランスとして独立して1年目でした。収入も少しずつ安定してきて、「よし、ここからもっと伸ばすぞ」と意欲に燃えていた時期です。
そんなある日、X(当時はTwitter)を開くと、同年代で同じ時期に独立したマーケターの知人が投稿をしていました。
「年商3,000万円突破。最高のチームとクライアントに感謝!」
その投稿には、港区の景色のいいレストランで、仲間と笑顔でシャンパングラスを掲げる写真が添えられていました。
それを見た瞬間、頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けました。
「あの人はすごいな……」
口からポロッと、その言葉が漏れました。
その直前まで、僕は月収40万円を超えて「自分にしてはよく頑張った」と自作のExcelシートを眺めて満足していたんです。なのに、彼の投稿を見た1秒後には、自分の積み上げてきた努力が、すべて安っぽくて価値のないゴミのように思えてしまいました。
「彼に比べて、自分は一人でちまちまWebサイトを作って、一体何をやっているんだろう」
急に自分の仕事が情けなくなって、手元にあったMacBookの画面を開く気力が失せました。それからの3日間、PCを開いても作業に集中できず、ただぼーっとSNSを眺めては「みんなすごいな、自分はダメだな」と落ち込む悪循環にハマってしまったんです。
他人と自分を比べて、勝手に敗北感を抱いて、勝手に落ち込む。 まさに「比較」という泥沼に、どっぷり浸かっていました。
なぜ、人は誰かと比べると止まらなくなるのか
あとから心理学の本を読み漁って知ったのですが、人間には「社会的比較理論」という心の仕組みがあるそうです。
人は自分の立ち位置や価値を確認したいとき、無意識に自分と似たような誰かと自分を比べようとします。そして自分より上にいる人(上方比較)と比べたとき、多くの人は刺激を受けるどころか、「自分はなんてダメなんだ」と自己評価を激減させてしまう。
当時の僕が、まさにこれでした。
「比較すること」自体は、人間が社会の中で生きていくために組み込まれた本能みたいなものです。だから「他人と比べるな」と言われても、絶対に無理なんですよね。脳が勝手にやっちゃうことだから。
でも、ある日、ノートに自分の感情を書き殴っていたときに、ふと気づいたことがありました。
「待てよ。僕が嫉妬して落ち込んでいるあの人は、今の僕が目指しているゴールに本当にいる人なのか?」
よくよく考えたら、僕はチームを何十人も抱えて年商何千万円も稼ぎたいわけじゃなかったんです。自分のペースで、心地よいクライアントと丁寧な仕事をして、休みたいときにカフェで読書ができる生活がしたかった。
なのに僕は、自分の目指してもいない山を登っている人と自分を比べて、勝手に挫折していただけだったんです。
比較そのものをゼロにすることはできません。 でも、「誰と比べるか」「何を基準にするか」のハンドルは、自分が握り直せるんじゃないか。そう思えたとき、すーっと胸のつかえが取れたのを覚えています。
僕が今やっている「比較」との付き合い方
それ以来、僕は「他人と比べる自分」を責めるのをやめました。比べちゃうのは脳のクセだから仕方ない。その代わり、比べたあとの行動のルールをいくつか決めました。
今でも日常で使っている、具体的で再現性のある手順を2つ紹介しますね。
1. 「あの人はすごい」と言ったら、即座に「でも僕は〜」を付ける
言葉の癖って強力です。「あいつはすごい」で会話や思考を終わらせると、頭の中に「それに比べて自分はダメだ」という無意識の補完が入ります。
だから僕は、「あの人はすごい」と口に出したり思ったりしたら、語尾をこう上書きするルールにしました。
「あの人はすごいな。でも、僕は今月、先月よりブログを3本多く書けたからOK」
主語を強制的に「過去の自分」に引き戻すんです。 比較の対象を「他人」から「過去の自分」に変えること。
心理学では、これで得られる感覚を「自己効力感(自分ならできるという感覚)」と呼びます。他人はコントロールできませんが、過去の自分と今の自分なら明確に成長を測定できますからね。
2. スマホの「比較トリガー」を1秒で遮断する仕掛けを作る
SNSを見て落ち込むなら、SNSを見るなという話なのですが、仕事で使う以上それは難しい。だから僕は、視界に入る情報そのものをコントロールすることにしました。
具体的には、無印良品のB6サイズの小さなウィークリー手帳を一冊用意しました。
SNSを見て「うわ、この人すごいな……」とモヤッとしたら、スマホを伏せて、その手帳の「今日の日付の枠」を開きます。そして、自分が今日できた超小規模な実績を3つ、緑色のボールペンで書き出します。
カフェで集中して原稿を1,000字書いた
欲しかった本を1冊買って読んだ
10分間、丁寧に通りのゴミ拾いをした
こんなレベルでいいんです。 他人と比べて落ち込んでいるとき、脳は「自分には何もない」という錯覚を起こしています。そこに物理的な手帳と手書きの文字で「今日やったこと」を視覚的に突きつけると、脳のパニックが落ち着いて正気に戻れます。
この手帳をデスクの右上に常においておくようになってから、SNSを見て無駄に落ち込む時間が激減しました。
比較してしまうのは、あなたが「良く生きたい」証拠
誰かの活躍を見てモヤモヤしたり、「すごいなぁ」と羨ましくなったりするのは、あなたが自分の人生を諦めていない証拠です。
どうでもいいと思っている人のことなんて、羨ましいとも思いませんから。
だから、「また比べちゃったな」と自分を責める必要は全くありません。 「お、自分はもっと人生を良くしたいんだな」と、自分のエネルギーの存在を認めてあげればそれでいいんです。
その上で、ほんの少しだけ視線をずらしてみる。 遠くの山を登っている誰かを見るのをやめて、足元の自分の歩幅を見る。
昨日より1歩でも、あるいは0.1歩でも前に進んでいたら、今日のあなたは満点です。
最後に
あなたが今日、「あの人はすごいな」と思った影で、うっかり見落としてしまいそうになっている「今日、自分がちゃんとできたこと」は何ですか?
大きくて立派なことじゃなくて構いません。 「朝ちゃんと起きた」でも「美味しいお昼ご飯を食べた」でもいいんです。ぜひ、心の中で一つだけ思い出して、自分を褒めてあげてくださいね。
それでは、今日はこのへんで。
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