こんばんは、廣瀬(ひろせ)です。僕は普段、「やる気に頼らず人生を好転させるヒント」をテーマに発信をしています。
いきなりですが、今日の夕方、久しぶりに地元の文房具屋さんに立ち寄ったんです。店内をブラブラしていたら、手帳コーナーの隅っこに「今年こそ継続!365日習慣チェックシート」みたいなカラフルなノートが並んでいて、思わず苦笑いしてしまいました。
というのも、数年前の僕なら、その手のアイテムを見つけた瞬間に「これだ!これがあれば俺も変われる!」と興奮してレジに直行していたからです。そして最初の3日だけ綺麗な字でチェックをつけて、4日目には存在すら忘れ、半年後にはデスクの引き出しの奥からホコリをかぶって出てくる……そんなことを何十回と繰り返してきました。
今この記事を読んでくれているあなたも、もしかしたら似たような経験はありませんか?
「今年こそは毎日30分英語の勉強をする」
「今日から夜は白米を抜いて、筋トレを毎日10回やる」
そう意気込んでスタートしたのに、仕事で疲れた日の夜に「今日くらいはいいか……」とスマホを眺めて終わり、次の日には猛烈な罪悪感に襲われる。SNSを開けば「毎日朝5時起きで副業の作業を1年続けて月収〇万達成しました!」みたいなポストが流れてきて、「それに比べて自分は、なんでこんなに意志が弱いんだろう」と落ち込んでしまう。
もし今、そんな風に自分を責めているなら、ちょっと待ってください。
最初に言わせてください。あなたが続かないのは、意志が弱いからでも、人間としてダメだからでもありません。ただ「やる気」や「意志の力」という、めちゃくちゃ不安定な道具を使って変化を起こそうとしていただけなんです。
僕自身、筋金入りの三日坊主でした。意志の力に頼るのをやめてから、僕の毎日は驚くほど静かに、でも確実に変わり始めました。今日は、僕がどうやって「続けられない地獄」から抜け出したのか、その話を少しさせてください。
27歳の冬、僕が経験した絶望的な挫折の話
少し昔の話をします。27歳の冬、僕は仕事のスキルアップのために「毎朝1時間、プログラミングの勉強をする」という目標を立てました。
形から入るタイプだったので、奮発して15万円のMacBookを購入し、デスク周りを整え、分厚い参考書を3冊買いました。初日は完璧でした。目覚ましが鳴る前の朝6時にパッと起き上がり、コーヒーを淹れて、ドトールで2時間集中してコードを書きました。「ついに俺の人生も覚醒したな」と本気で思っていたんです。
2日目もなんとかクリア。しかし、運命の3日目。前日に急な残業が入り、帰宅したのは深夜1時でした。
翌朝、6時のアラームが響いた瞬間、頭の中に浮かんだのは「今日だけは無理。明日から2倍頑張ればいいや」という言い訳でした。アラームを止めて二度寝。その日の夜、部屋の隅に置かれたMacBookを見るだけで、胸がギュッと締め付けられるような嫌な気持ちになりました。
結局、4日目も、5日目も開くことはありませんでした。
それどころか、MacBookを見るたびに「15万も払ったのに三日坊主で終わったダメな自分」を突きつけられている気がして、最終的にはMacBookの上に服を被せて目に入らないようにしたんです。バカみたいですよね。でも当時の僕は本気で追い詰められていて、「自分は何をやっても続かない人間なんだ」と深い絶望感に包まれていました。
「自分を信用するな」という小さな気づき
転機は、挫折から半年ほど経ったある日、仕事で訪れた図書館での出来事でした。
返却棚の近くで、行動心理学に関する本をパラパラとめくっていたとき、目にとまった一節がありました。
「人間の脳は、大きな変化を嫌い、現状を維持しようとする生き物である。だから意志の力で自分を変えようとするのは、流れるプールを逆走するようなものだ」
その一文を読んだとき、ハッとしました。
僕はずっと、「意志を強く持つこと」が継続の条件だと思い込んでいました。でも違ったんです。流れるプールを逆走しようとしてバタバタ暴れていたから、すぐに疲れて流されていただけで、プールそのものの流れを変える工夫をしてこなかった。
「そうか、僕の意志が弱かったんじゃない。戦い方が間違っていただけなんだ」
そう気づいた瞬間、胸のつかえがスッと取れたのを覚えています。それ以来、僕は自分自身の「意志の力」や「やる気」を一切信用するのをやめました。「明日の自分は確実にサボる」という前提に立って、サボりようがない仕組みを作ることに全力を注ぐことにしたんです。
意志の力を1ミリも使わずに続いている3つの工夫
意志の力を手放した結果、元・筋金入りの三日坊主だった僕ですが、今では「毎日の読書」「週3回のジョギング」「noteの執筆」を1年以上、苦もなく続けられています。
「気合」や「根性」を使わずに、どうやってそれを実現しているのか。僕が実際にやっている具体的な手順と工夫を3つご紹介します。
1. 「やり始めるまでの摩擦」を極限までゼロにする
何かを始められない一番の原因は、取りかかるまでの「めんどくささ」です。僕はこれを徹底的に排除しました。
例えば、僕の今の読書習慣。本を読むために「本棚から本を取り出す」「ページを開く」という動作すら、疲れている夜には高いハードルになります。だから僕は、夜寝る前にKindleの画面を「今読んでいる本のページ」にした状態で、枕の真横に置いておきます。
朝起きて、スマホを手に取る前に、物理的に目の前にあるKindleの画面を見る。電源ボタンを押す必要すらなく、ただ目に入る状態にしておく。これだけで「読む」という行動の心理的ハードルがほぼゼロになります。
ジョギングも同じです。前日の夜に、ウェアと靴下をベッドの横に畳んでセットしておき、朝起きたら何も考えずにそれを着る。シューズは玄関のたたきに出しておく。「今日走ろうかな、どうしようかな」と悩む隙を脳に与えないレベルまで、準備の摩擦を削り削るのがコツです。
2. 目標を「笑っちゃうくらい小さく」設定する
プログラミングで挫折したとき、僕は「毎日1時間」というデカすぎる目標を立てていました。でも、人間の脳は急激な変化を拒絶します。
だから、今の僕のルールは「1日1行本を読む」「1日1回スクワットをする」です。
「えっ、1行だけ?そんなの意味あるの?」と思うかもしれません。でも、いいんです。大事なのは「毎日途切れずに実行した」という実績を作ることであって、作業量ではありません。
仕事で疲れ果てて頭が割れそうに痛い日でも、「1行読むだけならできるか……」と思ってKindleを開きます。1行読めば、その日の目標は達成です。「今日も続けられた」という小さな達成感が残ります。そして不思議なことに、1行読むと乗ってきて、そのまま1ページ、2ページと読んでしまう日の方が多いんですよね。
「やらないよりは100倍マシな超ミニマムな目標」を設定しておくこと。これが、挫折を防ぐ最大の防波堤になります。
3. 「すでにやっていること」の後ろにくっつける
新しい習慣をゼロから生活の中に組み込もうとすると、脳が「そんな時間はない!」と反発します。そこで僕が使っているのが、すでに毎日無意識にやっている日課の後ろに、新しい行動をセットでくっつける方法です。
僕の場合、毎朝必ず電気ケトルでお湯を沸かしてコーヒーを淹れます。お湯が沸くまでの時間は、約2分間。
この「2分間」という隙間時間を活用して、ケトルの前でかかと上げ運動を30回やると決めました。
「お湯を沸かす」という既存の行動
「かかと上げをする」という新しい行動
これをセットにすることで、「運動しよう!」と意気込む必要がなくなりました。今ではお湯を沸かすスイッチを押すと、体が勝手にカカトを上げ下げし始めるレベルで自動化されています。
あなたの意志は、最初から弱くなんてない
こうして仕組みを一つひとつ作っていった結果、僕は「三日坊主の自分」を責めることがなくなりました。
振り返ってみると、僕たちが挫折してきたのは、自分の能力や人格のせいではなく、単に「モチベーション」という幻のようなものに期待しすぎていただけだったんだと思います。
やる気なんて、その日の天気や、前日の睡眠時間、職場の人間関係ひとつで簡単に乱高下するものです。そんな不確実なものに、自分の人生を好転させる大事な習慣を委ねちゃいけないんですよね。
もし今、あなたが何かを続けられずに悩んでいるとしたら、一回だけ「意志の力で頑張る」のを諦めてみませんか?
そして、自分にこう問いかけてみてほしいんです。
「どうすれば、やる気がゼロの日でも勝手に動けちゃうくらい、ハードルを下げられるだろう?」 「今の生活の中で、すでに無意識にやっていることって何だろう?」
今日からできる小さな工夫は、きっとあなたの目の前に転がっています。
まずは、明日やる予定だったことのハードルを、バカバカしくなるくらい下げてみることから始めてみてください。本を開くだけ。ウェアを着るだけ。それだけで、あなたはもう「継続への第一歩」を踏み出しています。
あなたのペースで、静かに、でも確実に変わっていけば大丈夫ですよ。