【契約書ブログシリーズ 第21回】契約書はいつ作るべき?契約締結のベストタイミング

記事
法律・税務・士業全般
「契約書って、いつ作ればいいんだろう?」

・話はもうほぼ決まっている
・相手とも関係は良好
・細かいことを言うと空気が悪くなりそう

そんな理由で、
「もう少し後でいいかな」
と感じたことはありませんか?

実務の相談でも、このタイミングで迷っている方はとても多いです。

結論から言うと、
契約書は“話がまとまり始めた時点”で作るのがベストです。

そして実は、
「いつ作るか」を間違えること自体が、トラブルの原因になることも少なくありません。

契約書は「最後に作るもの」ではありません

多くの方が、契約書をこう考えています。

話が全部まとまってから
最後に形式的に作るもの

ですが、これはかなり危険な考え方です。

なぜなら、契約トラブルの多くは
「話がまとまったと思っていたけど、認識がズレていた」
というところから始まるからです。

・どこまでやるのか
・いつまでやるのか
・いくら支払うのか
・途中でやめたらどうなるのか

このあたりは、
「言わなくても分かっているつもり」
になりがちです。

契約書は、
合意の“確認作業”をするための道具
でもあります。

ベストなタイミングは「条件が出そろい始めたとき」

では、具体的にいつがベストなのか。
それは、

・金額
・業務内容
・期間

この3つが見え始めた段階です。

このタイミングで契約書を作ると、次のメリットがあります。

① 認識のズレに早く気づける
文章にすると、
「え、そこまでやると思ってなかった」
「その期間は厳しい」
といったズレが必ず出てきます。

これはトラブルではありません。
健全なすり合わせです。

② 後から条件を変えにくくなる
契約書がない状態で進むと、
・業務が増える
・納期が伸びる
・責任が重くなる

こうしたことが“自然に”起きます。

契約書は、
ブレーキの役割も果たします。

③ 関係が良いうちに冷静な話ができる
揉めてから契約書を作ろうとしても、
冷静な話し合いはほぼ不可能です。

関係が良いうちに作る。
これが実務ではとても重要です。

「もう始まっている取引」はどうすればいい?

よくある相談がこれです。

もう仕事は始まっているんですが、
今から契約書を作っても意味ありますか?

結論から言うと、
意味はあります。

この場合は、
・これまでの内容を整理する
・今後について合意する

という形で契約書を作ります。

実務では、
「途中から契約書を作ったことで、逆に安心できた」
というケースも多いです。

危険なのは「トラブルの気配が出てから」

一番よくないタイミングは、実は「トラブルの気配で出てから」です。

・支払いが遅れ始めた
・要求がどんどん増えてきた
・連絡が雑になってきた

この段階で
「契約書を作りましょう」
と切り出すと、相手はこう思います。

何か警戒されている?
揉める前提?

一気に空気が変わってしまいます。

契約書は、
疑い始めてから作るものではありません。
安心して進むために、先に作るものです。

「契約書を出すと嫌がられそう…」と思ったら

これはとても多い不安です。

ですが、実際に相手方が感じるのは逆です。

きちんと説明すれば、
「ちゃんとしている人だな」
「安心して任せられるな」
と受け取られることの方が圧倒的に多いです。

おすすめは、

「お互いに認識を揃えて、安心して進めたいので契約書を作りたいです」

こんな一言を添えて契約書を出すことです。

それでも迷ってしまったら・・・判断のポイント

次のどれかに当てはまったら、
契約書を作るタイミングは“今”です。

・金額がそれなりに大きい
・期間が長い
・業務内容があいまい
・途中で条件が変わりそう
・少しでも「不安」を感じている

特に最後の一つ。
「少し引っかかる」

この感覚は、かなり正確です。

行政書士として感じること

実務でお話を聞いていると、
多くの方がこう言います。

「あの時、契約書を作っておけばよかった」

逆に、
「作りすぎて困った」
という話は、ほとんど聞きません。

契約書は、トラブルが起きてからでは遅いのです。

まとめ|契約書は“早すぎる”くらいでちょうどいい

・契約書は最後に作るものではない
・条件が見え始めた段階がベストタイミング
・関係が良いうちに作るのが最大のリスク対策
・迷ったら「今」作る

これだけ覚えておいてください。

最後に

契約書は専門用語も多く、
「この内容で本当に大丈夫なのか」
不安になるのは自然なことです。

少しでも気になる段階で確認しておくことが、
一番トラブルを防げます。

「こんな段階で相談していいのかな?」
と思う必要はありません。

むしろ、その段階こそが
一番価値のあるタイミングです。


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