「デザイナー」、本来の意味は「設計士」ですが、設計という意味でアウトプットをしている人はどのくらいいるのかな?思いつくままにデザイナーの種類を挙げてみます。
・ファッション/衣装デザイン
衣服の設計。配色、装飾、カッティングなどを考えます。スケッチなどでできあがりのイメージを伝えます。考えたデザインを型紙に起こす人は「パタンナー」、縫製もアシスタントか別途作業者がいますが、フィギュアスケートの衣装を手掛ける伊藤聡美さんは仕上がりにこだわり、縫製、装飾まで全てご自身で行っていることが多いです。彼女の衣装はちょっと他とは違う美しさがあります。
・インテリアデザイン
主に建築物の「内装」を決める人。壁の仕上げを塗装なのか壁紙なのか、床材、照明の位置と建築物の装飾部分のほか、家具やラグ、カーテンなどのあわせ方を提案する人。齟齬がなければ提案だけで決定権は依頼主にある領域。建築デザイナー兼務のパターンもあるのかな。イメージ自体は専用ソフトを用いて提示されます。私、一度だけ資材を組み合わせて配色のパターンのルール化をするという案件を格安で請け負ったことがあります。業務進行時にエアポケットとなって、費用と作業者が無いとのことで仕方なく。本当ならいくらだったのかな??
・建築デザイン
領域が広い。複合ビルの設計、スタジアム、公共施設〜一般住居まで。高層ビルを対応する人と一般住居だとスキルが違い過ぎますよね。構造系のデザイナーと本当に出来上がりイメージをスケッチで提示するだけなどさまざまかな。業界としても「デザイナー」の人数が多いような気がします。「社内に100人デザイナーが居る」と、建設会社系の方に言われたことがあります。100人・・・。
・広告デザイン
広告系はプランナーやディレクターの方が強い印象です。案数も大量に必要だし、コンペも多い。訴求範囲が広いので気をつけないと「炎上」します。今はイメージの完成度より、広告導線設計の方が重要かなという印象で、絵づくりがしたい人にはなかなか厳しい状況です。
・ブックデザイン
装丁家。個人で独立しやすい印象。名久井直子さんが有名。本や漫画の仕上がりサイズ、表紙図案、印刷加工の方法、イラストレーターや写真家の選定など。
・ロゴデザイン
企業、起業時の屋号と組み合わせるもの。この領域も幅広いです。「ココナラ」さんで受発注しやすい領域のひとつですが、個人的にはできない。創立者さんの事業を行う意思を過去の意匠と被らないようにシンボル化するという、ブランドコンサルティングの能力が必要だから。ソフトバンクのロゴの開発エピソードが非常に勉強になっています。
・雑誌/カタログデザイン/ページもの
印刷系デザイン。文字組がメインになるのでAdobeでもInDesignを使用。Illustlatorも扱えますがベジェ曲線で挫折している人が多いのでは?と最近感じています。基本原稿支給、編集者が必要。
・パッケージデザイン
商品の外装デザイン。非常に表現の幅が狭い中で考えるのと、印刷加工がグラビア、シルク、カットアウトなど特殊なことが多い。Illsutratorのスキルは高い人が多い。
・ゲームデザイン
広すぎ。絵師さん大集合。ゲームのシナリオはプランナーやライターさんでしょうけど、UIとか、デジタルの知見も。
・グラフィックデザイン
上記業務内で仕上がりのイメージを作る人。一般の人がイメージするデザイナーはこの領域のような気がします。
・プロダクトデザイン/工業デザイン
自動車、精密機器など。社内内製が多いのでしょうか。内装部分で有名なのはJR西日本の豪華車両を手掛ける水戸岡さん。
・ウェブデザイン・アプリデザイン
「デザイナー」で現在需要の多い領域という印象です。HTMLをはじめ、基本的なプログラムの知識が必要ですが、カタログ系デザインの方々が
ワイヤーフレームのみを作ってコーディングは任せるというパターンも多いようです。私、1回だけWEBページを自作したことがあるので、ディレクションはできます。
・POPデザイン/・POPライター
POP=「Point of Purchase」商品を購入する場所や、その場所における広告や告知物になります。「ドン・キホーテ」や「タワーレコード」「ビレッジ・バンガード」が有名。流通の従業員さんが描くものというイメージですが、化粧品の商業施設の展示台やお菓子の特設販売台もPOPと呼ばれることが多いです。広告の一種ですが、この領域は製作者がコピーもイラストも自分で考えて書くことが多いので他のデザインとはちょっと違います。従業員さんなどが業務の間に書く(書かされる?)という点でも独特です。
大事なこととして、これらは全くシームレスではありません。
インテリアデザインを生業にしている人がブックデザインもできたりはしません。もう別の種目になります。カタログデザインの人がPOPデザインができたりしません。ウェブデザインの人がパッケージデザインもできたりしません。でも高い確率でごっちゃにする発注者がいます。
リスキリングはこういう点からも必要で、デザイン側が業務領域を2種、3種持つのは当たり前なのと同時に、発注側も代理店任せにせず、それぞれの業務領域の把握が必要なのではとよく思います。