「LINEで自動返信したい」と調べると、
LINE公式アカウント と LINE Bot という2つの言葉が出てきます。
同じもののように見えて、実は指しているものが違います。
そして、この違いが分かると
「自分で設定できる範囲」と「開発が必要な範囲」の境目が分かります。
先に結論です。
LINE公式アカウント = お店のLINEアカウントそのもの
LINE Bot = そのアカウントにプログラムをつないだ状態
別物ではなく、後者は前者の拡張です。
そして、多くの場合は前者の標準機能だけで足ります。
■ LINE公式アカウントは「入れ物」
LINE公式アカウントは、お店や会社が持つLINEのアカウントです。
友だち追加してもらって、
メッセージを送ったり受け取ったりします。
アカウントそのものに、最初から自動返信の機能が付いています。
主に3つあります。
応答メッセージ
決めたキーワードに、決めた文章を返す
あいさつメッセージ
友だち追加された直後に、自動で1通送る
リッチメニュー
トーク画面の下に、固定のメニューを出す
これらは管理画面から設定できます。プログラムは要りません。
■ LINE Botは「入れ物にプログラムをつないだ状態」
LINE Botは、このLINE公式アカウントに
外部のプログラムをつないだ状態を指します。
つなぐと、標準機能ではできないことができるようになります。
・送られた内容によって、返す内容を変える
・押されたボタンによって、処理を分ける
・カレンダーや表計算と連携する
・受け取った内容を、どこかに記録する
つまり「LINE Botにする」というのは、
新しいアカウントを作ることではありません。
今あるアカウントに、プログラムを追加でつなぐことです。
すでにLINE公式アカウントを持っているなら、
作り直す必要はありません。
■ いちばん大事な話|どこから開発が必要か
ここが本題です。
多くの場合、標準機能だけで足ります。
まず、この一覧で確認してください。
標準機能でできること
・「営業時間は?」に決まった文章を返す
・友だち追加のあいさつを自動で送る
・画面下に固定メニューを出す
・営業時間外だけ、別の文章を返す(工夫すればできます)
・キーワードを何十個も登録して返し分ける(できますが管理が大変です)
開発が必要になること
・押されたボタンで処理を分ける
・予約を受け付けて、カレンダーに入れる
・問い合わせ内容を表に記録する
・前日にリマインドを自動で送る
・書かれた文章をAIが読んで答える
境目は「返す内容が決まっているか」です。
決まっているなら標準機能。
決まっていない(条件で変わる、外部と連携する、記録する)なら
開発が必要、と考えるとほぼ間違いません。
■ 判断のしかた|3つの質問
自分がどちらか迷ったら、この3つを順に見てください。
1.返す文章は、あらかじめ全部書き出せますか
書き出せるなら、標準機能で足ります。
「よくある質問が10個くらい」なら、
それを応答メッセージに登録すれば終わりです。費用はかかりません。
2.LINEの外にある情報を使いますか
カレンダーの空き、在庫、顧客の履歴。
LINEの外を見る必要があるなら、開発が必要です。
3.受け取った内容を、どこかに残す必要がありますか
「問い合わせが来たことを、あとで一覧で見たい」。
これも開発が必要な範囲です。
LINEのトーク画面にも履歴は残りますが、
一覧にしたり、集計したりはできません。
■ 標準機能の限界(実際に困るところ)
標準機能で十分な場合が多い、と書きました。
ただし、使い続けると次のところで詰まります。
まず、キーワードが増えると管理しきれなくなります。
応答メッセージは、
キーワードと返答をひとつずつ登録していく形です。
登録が増えるほど、どれが何を返すのか分からなくなります。
そして「似たキーワードが両方一致してしまう」ということも起きます。
次に、「どれにも当てはまらなかったとき」が弱いです。
登録していない言葉が来たとき、
標準機能では決まった1つの文章を返すことしかできません。
メニューを出して選んでもらう、といった案内ができないため、
そこで会話が止まりがちです。
最後に、営業時間の切り替えが手作業になりやすいです。
「営業時間外だけ別の返答」は、
時間ごとの設定である程度できます。
ただし、臨時休業や連休のたびに手で直すことになります。
■ 私の場合(参考)
私は2019年から、
GoogleのカレンダーとLINEをつないだ仕組みを、毎日動かし続けています。
作った当時は「予定をLINEに届けたい」というだけの理由で、
外注ではなく自分用に作ったものでした。
7年動かしてみて分かったのは、1つだけです。
止まらないことが、いちばん大事
多機能さより、動き続けることのほうが価値が高い。
凝った作りにするほど、外の仕様が変わったときに壊れやすくなります。
■ まとめ
・LINE公式アカウント = アカウントそのもの
標準で自動返信の機能が付いている
・LINE Bot = そこにプログラムをつないだ状態
作り直しは不要
・境目は「返す内容が決まっているか」
決まっている → 標準機能で足りる(費用0円)
条件で変わる/外部連携/記録が要る → 開発が必要
・標準機能は、キーワードが増えるほど管理が難しくなる
まずは標準機能で試して、
足りないと分かってから相談しても遅くありません。
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私は業務システムの開発を5年、
2019年からGoogleカレンダーと連携したLINE Botを毎日動かしています。
「よくある質問への自動返信」「営業時間外の返信」
「担当者につなぐボタン」までを、月額のかからない形でお作りしています。
文言はご自身で書き換えられます。