LINE Botの制作を依頼しようとしたとき、
「LINE公式アカウントのログイン情報を教えてください」と言われて、
手が止まった。
そんな相談を受けることがあります。
結論から書きます。
技術的には、ログイン情報を渡さなくても作れます。
制作者の方の多くは誠実に扱っておられます。
ただ、仕組みとして渡さずに済むのであれば、その方がお互いに安全です。
何を渡せばよくて、何を渡さなくてよいのか。
順番に整理します。
■ LINE公式アカウントは3階建てになっている
まず全体像です。少しややこしいので、図にします。
1階:LINEビジネスID
└ ログイン用のアカウント。全体の入口です
2階:LINE公式アカウント
└ お客様が友だち追加する、あの窓口です
3階:Messaging APIのチャネル
└ プログラムがつながる口。ここに開発が入ります
「パスワード」と呼ばれているのは、たいてい1階のことです。
そして、プログラムが必要とするのは3階だけです。
■ 制作者が本当に必要としているもの
3階(チャネル)には、「チャネルアクセストークン」という
長い文字列があります。
プログラムがLINEにメッセージを送るとき、
「私は、このアカウントの持ち主から許可を受けています」と
示すための鍵です。
制作者が必要とするのは、基本的にこれ1つです。
・トークンがあれば、メッセージの送受信ができます
・トークンだけでは、アカウントの設定変更や削除はできません
・そして、いつでも再発行できます
再発行すると、古いトークンはその時点で使えなくなります。
つまり、あとから権限を取り上げられる、ということです。
ログイン情報を渡してしまうと、これができません。
パスワードを変えるまで、相手はいつでも入れます。
■ 権限を渡す方法は3つあります
依頼するときに取れる形は、だいたい次の3つです。
【A】チャネルアクセストークンだけを渡す
渡る権限:メッセージの送受信
取り消し:トークンを再発行すればいつでも
→ いちばん安全です
【B】チャネルの管理者として招待する
渡る権限:チャネルの設定変更まで
取り消し:作業が終わったら招待を外す
→ 設定作業まで任せたい場合に。作業後に外せば問題ありません
【C】ログイン情報(ID・パスワード)を渡す
渡る権限:すべて
取り消し:パスワードを変更するまでできません
→ 避けられるなら避けたい形です
【A】か【B】で足りる作業がほとんどです。
■ ログイン情報を渡すと、何ができてしまうのか
脅かすつもりはありません。事実として書きます。
1階のログイン情報があると、次のことが可能になります。
・アカウントの表示名やアイコンを変更する
・友だちの一覧を見る
・お客様とのトーク履歴を読む
・アカウントを削除する
・他の人を管理者として追加する
とくに3つ目です。
トーク履歴には、お客様の氏名、電話番号、
体調や相談内容が含まれていることがあります。
これは制作者の善意とは関係なく、
「渡した以上、技術的に見られる状態になる」という話です。
そして万が一、その方のパソコンがウイルスに感染したり、
パスワードを使い回していて別のサービスから漏れたりした場合、
影響はこちらにも及びます。
渡さない形が選べるなら、選んでおいた方が安全です。
■ 納品されたら、やっておくこと
作業が終わったら、次の3つをおすすめします。
1. チャネルアクセストークンを再発行する
→ 制作者は、その時点でアクセスできなくなります
2. 管理者として招待していたら、権限を外す
3. ログイン情報を渡してしまっていたら、パスワードを変更する
1番だけは、注意が1つあります。
再発行すると、Botが一時的に止まります。
新しいトークンを設定し直す必要があるので、
「再発行後の設定変更まで対応してもらえますか」と先に確認しておくと安心です。
■ 見積りの前に聞いておく3つ
1. 必要なのはトークンだけですか、ログイン情報も必要ですか
2. 納品後にトークンを再発行しても、対応してもらえますか
3. プログラムは、どこに置かれますか
3番も大事です。
プログラムが制作者のサーバーに置かれる場合、
契約が終わった後もそこで動き続けることになります。
その方がサービスを止めたら、Botも止まります。
自分のGoogleアカウントの中などに置いてもらえば、
契約が終わっても手元に残ります。
このあたりは、費用の話とも関係します。
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■ まとめ
・ログイン情報を渡さなくても、LINE Botは作れます
・必要なのは「チャネルアクセストークン」1つが基本です
・トークンは、あとからいつでも無効にできます
・ログイン情報は、トーク履歴まで見られる状態になります
・納品後は、トークンを再発行しておくと安心です
聞きにくいことのように感じるかもしれませんが、
制作する側にとっても、預かる情報は少ない方が安全です。
遠慮せずに聞いて問題ありません。
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私は業務システムの開発を5年、
Google Apps ScriptとLINEで作ったBotを2019年から動かしています。
情報処理安全確保支援士試験 合格。
お預かりするのはトークン1つだけ、という形で承っています。
見積り相談は無料ですので、お気軽にどうぞ。
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